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- 2013/2/18 20:36
- イタリアが誇る(!?)暗黒映画『ソドムの市』レビュー
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『ソドムの市』
評価:★★★★
監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演:パオロ・ボナチェッリ ジョルジョ・カタルディ
映画史における「呪われた映画」、「最悪の映画」など、今なお悪名高い称号を欲しいままにしている暗黒映画です
ナチス占領下のイタリアの田舎町が舞台で、物語は4つの章に大分されています。
冒頭、町の美少年・美少女だけが軍隊によって捕らえられ、権力者(公爵、大統領、司教、判事の主に4人)たちによって“品定め”され、謎の屋敷へと連行されます。
そこからが地獄の幕開けで、彼らは権力者たちの欲求を満たすだけの玩具となり、次々と変態・鬼畜行為を要求されるがまま…
ここまでが第一章「地獄の門」です。
次に倒錯的なエロ話を延々と聞かされ、この屋敷でのルールを彼らに徹底的に刷り込ませる「変態地獄」。
ゲイ、レズ、SM…
ありとあらゆる倒錯的行為が繰り広げられ、観客の倫理観や常識をぶち壊されます
もはや、権力者たちには正常・異常の概念がありません。
続く第三章「糞尿地獄」は、その名の通り、いわゆるスカトロ描写のオンパレード
権力者がその場で排出した×××を美少女が泣きながら食べます…
この一連のシーンに関しては、個人的にはグロ描写よりもきつかった
映画を観て、一部の表現によって気分悪くなったのは初めてです(苦笑)
パゾリーニの映像美をもってしても、ウコはウ
コです(笑)
第四章「血の地獄」は、想像が付くかと思いますが、拷問のオンパレードです。
全編を通して、少年少女たちは権力者に絶対服従を強いられ、散々弄んだ末には「消耗品」のように殺されます。
それを望遠鏡で窓から交代に見物する権力者たち…
劇中には二つの立場しか登場しません。
これは観客の価値観によって色んな捉え方が出来るでしょうし、パゾリーニ自身は、例えばスカトロ表現については、「現代における食べ物の浪費(飽食)」を批判したと語っているらしいです。
しかし、恥ずかしながら、僕は本作を“見世物”映画として興味本意で観ました。
見世物としての元はある意味とれたと言えるでしょうが、スカトロ表現についても、監督の意図をいまいち理解出来ませんでした
パゾリーニ監督作品は本作と『豚小屋』しか観ていませんが、『豚小屋』に比べると本作は解釈が色んな風にでき、難解になっています。
僕は『豚小屋』の方がまとまっているというか、より洗練された印象を持ちました。
とはいえ、“見世物”を期待して観ても元はとれる強烈な内容かと
こんな不純な動機で観たら、純粋な映画ファン、パゾリーニのファンから怒られそうです(苦笑)