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- 2012/10/10 18:32
- 「ヤタガラス」
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- 「麗か!」
声の主は北村チーフだった、増援のチームは全速力で…しかし息は切らさず駆けつけに来てくれた
「ハイ!私です!」
麗が待ちに待った増援部隊である。その統制のとれた足音と身のこなしでかなり鍛え上げられたチームである事が解る
「事情は今の通信で解った」
そう言うと3人は辺りを警戒すると同時に、1人は傷ついた男性を背中に抱え、1人は少女を抱き上げ、北村は麗に肩を貸し、早々にこの危険な場所から離れ様とする
が、麗が突然北村の動きを制止する
「待って下さい!」
「どうした?!」
すかさず北村が他の2人に動かないよう手で合図を出す
「逃避中、標的に再度補足された場所がこの上にあります!そこで、突然現れた民間人を1人置き去りにしています!私は今から彼の救出に向かわなければ」
今まで誰にも見せた事も無い様な慌てた姿をあられもなく北村達にみせる麗
「なんだって?解った俺も行く!」
驚きを隠せない北村だが…麗のそんな姿によほどの何かがあると強く感じる
北村は他の2人にベースへ向かう様に指示を出す
その時、その場に居る全員のインカムから
「ダメです!危ないです!また爆発するかもしれません!」
先ほどの天真爛漫な少女の様な声が響く
「ありがとう!でも…どうしても、ほうっておけないの。そんなに距離も離れていないから」
麗は冷静に答える
それも察した様に北村がインカムの向こうをなだめる
「北村だ、大丈夫。私も行く!危険だと判断したら抱えてでも必ず戻る」
(北村チーフありがとう!)
麗は心で思いながら北村に首を頷ける
「では、チーフをお願いします」
麗は、先に戻る2人に言うと力強く振り返り…
(お願い、間に合って!)
先ほどの場所へと走り出す
- 「麗か!」