ヴェンデッタさんとモバ友になろう!
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- 2017/4/12 1:25
- にゃーと鳴く犬③
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- そう言ってハサミを持つ犬は左右のハサミをちょきちょきと動かして見せました。
「見ての通りの変わり者でね。誰も気味悪がって近づかないもので。いや、助けは必要ないですよ。ありがとう」
と言ってペコリとお辞儀をしました。
「お邪魔はしたくないので、どうぞ通って下さい」
そう言ってハサミを持つ犬は道を譲りました。
にゃーと鳴く犬はなんとなく腑に落ちませんでしたが、グワァと鳴く犬が待っているので道を進むことにしました。すると、ハサミを持つ犬が後ろから声をかけてきました。
「優しいお嬢さん、一つ言わせて下さい。あなたは私に声をかけるのを偽善者と思われるかもしれない、と言いましたね。私には何が善で何が偽善なのかも見当もつきませんが、一つ言えるのは…もしあなたが善でも偽善でもない犬で、ただ困っている私に、できる範囲のことをしようと思ったのだとしたら、それは仮に偽善だったとしても、それは善に近づく一歩であると、私は思いましたよ。ありがとう、お嬢さん」
にゃーと鳴く犬は不思議な気持ちでそのハサミを持つ犬の話を聞いていました。
- そう言ってハサミを持つ犬は左右のハサミをちょきちょきと動かして見せました。