ちびモグさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2017/2/3 3:54
- まぼろしの歌声♪
-
- コメント(6)
- 閲覧(23)
-
-
- 真夜中……
誰かが帰宅した気配で
目が覚めた。
部屋の扉の輪郭を囲む
細くあわい光で
居間に明かりが灯ったのがわかる。
けれどカチカチと静かに時を刻む
振り子時計の規則正しい
リズムの他は
何も聞こえない。
その時どこからか
隙間風がスッと吹いて
家の中の温度が
急に下がったみたいな
気がした。
その感覚は
気のせいじゃなかったのかも。
他の部屋に寝ているはずの
親戚や家族たちが
やがて次々と起き出して
居間に集まっている
みたいだ。
扉を開け閉めしたり
廊下の床が軋む音、
漏れてくる光が
人々の影でチラチラと瞬き
ヒソヒソと
何かを話している声が
かすかに伝わった来た。
こんな時間に
みんなで集まって
いったい何を話してるんだろう。
猛烈に襲い来る睡魔と戦いながら
答えの出ない疑問だけが
ふわふわと浮かんでる。
その時
ボクは現実と夢の世界の狭間で
この世のものとは思えない
美しい天使の歌声を聴いた。
細い細い
やわらかな絹糸で紡がれた
ハーモニー。
いまにも途切れそうな
それでも限りなく優しい
歌声に包まれて
訳もわからず
涙があふれてくる。
こんな夜更けに
いったい誰が
どこで
こんなにも美しい旋律を
奏でているんだろう……
その疑問の答えを
知りたいと思っているのに
それでも睡魔の誘惑は強烈で
なぜか底知れぬ恐怖と
無常の喜びとに
板挟みになりながら
ついに眠りの世界へと
引きずり込まれてしまった……
翌日
天使の歌声の主が誰か
そしてその人の死を
同時に知ることになるとは
それこそ夢にも思わなかった。
続く……
この日記はフィクションです。
全て架空のお話です。
- 真夜中……