夕映さんとモバ友になろう!
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- 2014/2/27 2:13
- とろける恋の味・その5
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- 「直枝さんの都合、ですか?」
「僕の、っていうか、僕たちの、だね。リトルバスターズ男子の」
直枝さんの話では、今日一日で誰が一番多くチョコを貰ったかを競うことになり、男子メンバーは校内に散らばり、チョコ集めに奔走していると。
「……そんなことをしなくても、井ノ原さんの負けは決まっているかと」
「そんなこと言わないでやってよ、真人もあれでいいやつなんだから」
わかっていますが、それがチョコを貰える要素になるかは別問題かと……。
言わずとも表情に出ていたのか、直枝さんが慌てて井ノ原さんのフォローをします。
「ま、まあ、勝負だしまだわからないよ。僕もさっき小毬さん達からもらった分だけだから」
「直枝さんは今からでも貰えますよ」
「僕が? んー、去年も貰えなかったし……僕なんかにチョコをくれる人なんていないと思うよ?」
「…………………」
……なんでしょう、今の直枝さんの発言に『イラッ』としました。
同性には嫌味に聞こえ、異性に――それも能美さんやわたし、今から直枝さんにチョコを渡そうとしている人にはとても失礼に思えるその言葉。
小毬さんからは義理チョコだったしね、なんて言って暢気に笑っている鈍感な直枝さんを、わたしは無性にいじめたくなりました。……案外、来ヶ谷さんが直枝さんをいじるのも、こんな気持ちがあってなのかもしれませんね。
「そうですか。では、そんな直枝さんに朗報です」
「え?」
直枝さんにチョコを差し出します。……色気も何もない渡し方になりましたが、変に緊張するよりはマシです。
- 「直枝さんの都合、ですか?」