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- 2014/5/2 2:11
- 弾き方教えて(Tina嬢から頂き物!!)
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- 2014/3/9
弾き方教えて(あしあとキリ番小話)
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今夜は…と天窓から見える澄んだ空は星がたくさん瞬いている…。そこにピーンと三味線の澄んだ音が響いた。
私は部屋を出て、晋作さんのもとに向かった。
縁側で三味線を爪弾く晋作さんの隣に、私はそっと座った。
優しいまなざしで私を見つめる晋作さんが、「cay、お前も弾いてみるか?」と三味線が差し出す。
「…触ったこともないの」と答えた私の手に、晋作さんは三味線を持たせて、「教えてやる!ほら、構えてみろ」と私の背中越しに手を伸ばしてきた。
わ!なんだか抱きしめられてるみたい…って、晋作さんは、三味線を支えているだけ、って、三味線を持っていたはずの晋作さんの手はそのまま私の腕に触れて…やがてゆっくりと私の胸の前で交差する。やっぱり抱きしめられてる!
「あ、あの、晋作さん?」と抱きしめられたまま振り返った私の唇は、「…cay」と呟いた晋作さんの唇と重なっていた…。
びっくりしたまま固まってしまった私の前に、晋作さんの笑顔が見えた。
「…ね、苦しいよ」とようやく声を出した私に、晋作さんはびっくりしたような表情になる。
「身体、ねじってるんだから…」。そのうえ、晋作さんにぎゅっと締め付けられている…。
「あ、すまん」と言った晋作さんは、私を抱きしめたまま、私を向き直らせようとする、けど、「三味線、邪魔だ」と、私から取り上げて、部屋に入れてしまった。
「弾き方、教えてくれるんじゃないの?」と聞いた私に、晋作さんはにやりと笑って
「弾き方を教えてやりたい楽器は、別にある」と答える。
「何?」と首を傾げた私に、「cay、お前だ」とあっさり言う晋作さん。
びっくりして、「え、どういうこと?」と聞き返した私の唇に、晋作さんは、もう一度唇を重ねる。
思わず「…んっ」と声を上げた私に、唇を離した晋作さんは「ほら、鳴った」と言った後、「…俺の言ってることがわからんわけじゃないだろう?」と逆に聞き返してきた。
「あ!」と思わず声を上げた私を、またぎゅっと抱きしめた晋作さんは「こら、これから教えると言ってるんだ」と笑った。
Fin
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- 2014/3/9