イクシートさんとモバ友になろう!
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- 2012/12/18 22:06
- 暗闇の中の白影
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- 「ひとまず散策も飽きたことだし、また造ってみようかな」
煌びやかな玉座に足を組んで座りながら、この城の主・イクシートは唐突に言った。
「いい加減、このパステルカラーも見飽きたし」
床の上をもぞもぞと蠢き回る桃、藤、水色の小さな少女達を見やる。
その中でひとりだけ大きな女性が、
「でもその爵位では制限がかかっていて力を発揮できないわよ」
無表情に進言する。
「そんなの、やってみなきゃ分からないさ」
イクシートは不敵な顔で玉座から立ち上がった。
部屋の中央まで来ると、少女達が純朴な顔で主を見上げる。
「どうしたんですかー? マスター」
「なになに? 何かするの?」
「マスター、遊んでニャ」
イクシートは足元に群がる彼女らを気に留めることなく、
「んー…、そうだな、足りない力の分は“生贄”を使えば何とかなるかな…?」
と物騒なことを呟く。
そしてその中の一人、藤色の娘の脇を持ってひょいと抱えて目の前に持ってくる。
「ん。君に決めた」
「マスター…」
抱えられた方はぼんやりした様子で猫がニャーと鳴くように呟いた。
途端、イクシートを中心に光の魔法円が現れる。
足元に群がっていた少女達はその衝撃で吹き飛ばされる。
イクシートは高速で呪文を紡ぎ、藤色の娘の体が発光を始める。
そしてそれが伸びて白い女性を模ろうとしていた時、
「きゃあーーーっ!」
ふっと光は消え、藤色の娘も壁際の方へと飛んで行った。
「…やっぱ駄目か。でも、形状としては間違っちゃいなかったんだけどなー」
「無茶するのね…」
部屋の家具が横倒しになったり中身をぶちまけたりと、散々なことになりながらも大柄なリリムは冷淡に呟いた。
「そのリリムとやらじゃ、他の個体と比べて大差ありすぎるから、早くなんとかしたくってね」
というわけで、この日イクシートはスローネの錬金に失敗したのであった。
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- 「ひとまず散策も飽きたことだし、また造ってみようかな」