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    • 2017/2/28 14:01
    • 小説「ふたりでひとつ」ハートの6①
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    • 期末テストがようやく終わって、あとは、夏休みが待ち遠しいだけ、というお昼休み、ひさしぶりに琴葉ちゃんといっしょに、中庭でお弁当を食べていた。
      「ねえ、カズハちゃん?今日、いっしょに帰らない?」
      「ん?もちろんいいけど」
      「せっかくだから、4人で帰らない?」
      「4人でって、あと誰と誰?」
      「アタシの気になっている人と、カズハちゃんの…ね?」
      「気になっている人って言われても…」もちろん、圭悟くんの顔がまっさきに浮かんだ。
      「毎日のように一緒に帰る男子いるでしょ?あのひと、気になっている人じゃない、なんて言ったら、アタシ怒るかんね」
      たしかに、こないだ映画を観に行った時から、誘われるようにして、圭悟くんとほぼ毎日、一緒に帰っている。
      「うん、わかったよ。じゃあ、圭悟くんに言ってみる」
      「決まり。アタシもマサナオくんに言っておくから」

      放課後。
      チャイムが鳴ると、やはりこの時期は誰も、教室に残るような用事はなく、あっという間に、圭悟くんとふたりきりになってしまった。
      昼休みの話をしようと、呼びかけようとすると…
      「カズハちゃん、ちょっと話がある」
      いつになく、真剣な顔の圭悟くんに戸惑う。
      「…なに?」
      「オレさ、転校することになった」
      「え…」
      「親父の仕事の関係でさ、イギリスへ」
      「イギリス?!…いつから?」
      「夏休み終わったらすぐ…てか、いろいろ準備もあるから8月中には…」
      「……」ショックすぎて、言葉が出ない。
      「オレさ……」一気に緊張感が走る。
      「……」
      「オレ、カズハちゃんに初めて会った時から、その…好きになっちゃったんだ。一緒に話をしていても、その気持ちは変わらず、もっと好きになっていったんだ」
      「……」
      「オレと、付き合ってほしい。もう、この気持ち止められないんだ…」彼の真剣な目が怖くなって、後ろにたじろいだ。
      急に肩をつかまれる。
      「え、ちょっ…」
      「お願い…真剣なんだ…」
      「やめ…離して…」どんなに逃げようとしても肩をつかんだ彼の手は力を増すばかりだ。
      近づいてくる彼の顔に、怯えるしかなかった。
      (…だれか…たすけて)
      「…ズハちゃん、いる?」
      〈ガラガラ…〉「……!!……っ」
      「琴葉ちゃん…たすけ…」
      「ちょっと!アンタ、カズハちゃんを離しなさいよ!」
      その言葉で、わたしの肩をつかんだ彼の手がようやく力が抜けた。

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