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- 2017/2/27 21:02
- 小説「ふたりでひとつ」ダイヤの5②
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- 「はんぶんはダメ」
「え?」
「あのね、これはお願いなんだけど、ひとつは、アタシが持ってたらダメかな…やっぱり、カズハちゃんとアタシで、一心同体みたいな…ずっと、一緒なんだっていうのを感じていたいし…」
「ダメなわけないじゃん。どんなに遠くに居たって、琴葉ちゃんとわたしは、心はずっとつながっているよ」
「うんっ」
「そうだ。わたしもプレゼントあるよ。気が急いちゃってだいぶ前に買っちゃった」
「ありがとう。なんだろ…」
「開けてみて」
「うん」渡された箱のリボンを解いて、しっかり貼ってあるシールにじれったさを感じながら、カズハちゃんに倣って、丁寧にラッピングをはがして、箱を開ける。
「すごくきれい…」
四つ葉のクローバーの形をしたジュエリーボックスだった。ふたを開けると、すてきな音色のオルゴールが店内に流れ出した。
ちゃんとこうなるように、カズハちゃんが前もって、ゼンマイを巻いていたことを考えると、涙が出そうになるくらいうれしかった。
「ほんとうに…ありがとう」
「琴葉ちゃん、アクセサリー集めるの好きだからさ…気に入ってくれた?」
「もちろんだよ。そうだっ、これにさ、そのペアネックレス入れて、ふたりで使おうよ」
「いいの?うん、そうしよっ」
「ふたりでひとつ」
「うん。ずっと一緒だよ」
「永遠に」
「永遠に」
小指同士で固く結んだ絆は、誰にも解くことなどできるはずないのだ。
- 「はんぶんはダメ」