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    • 2014/10/20 0:30
    • 想像力の欠けた想像
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    •  私は思うんだ。想像力が本当にある人間というのは何も語れないし、何も描けないんだと。私が娘を殺したから、語れるようになったのではないよ。私は初めから想像力が欠けていたから、作家という職で曲がりなりにも食べてきたし、結果的に娘を悲しい結末に追いやった張本人であるのだ。

       悲しい結末ということも、おこがましいことなんだ。それが悲しいかどうかは本当に分かることではないし、悲しいなんて言葉で片付けていいものでもないのかもしれない。ただ、そう語ることで傷付く人がいるんだ。その想像力を今になって娘に貰ったんだよ、私は。

       私は作品の話をしてる訳じゃないんだ。作品にも関わることであって、そして作品に限られた話ではないんだ。

       想像力ってのはね、自分のことを考えることは入らないんだ。想像力を以て自分を考えるなら、その考えている自分はもう自分じゃないんだ。自分以外のことを考えるのが想像力なんだよ。まずそのことを理解した時、なんて世界は窮屈なんだろうと思うのさ。何かを語れば、何かを描けば、それが誰かを傷付ける。

       必ず、だ。

       必ず誰かを傷付ける。傷付けない為の言葉に傷付く人間がいて、傷を癒やす行為に傷付く人間がいるんだ。必ず何かを傷付ける窮屈さをどれくらい感じるのかというのが想像力だったんだよ。だから、作家だった私は想像力の欠片もなかったし、傷付けるために書いていた彼は想像力を投げ捨てていたのさ。
       そして、娘は本当に想像力があったんだ。最期には想像力しか持てなかったんだ。だから娘はここにはいないし、僕は想像力を目の当たりにしたんだ。

       それでも僕が語るのは、語れているのは、やっぱり想像力に欠けているんだよ。気付いただけで傷付けるのを辞められないんだ。こんな快感棄ててたまるものか。娘は馬鹿だよ。想像力なんて育んだから、僕の言葉に押し出されてしまったんだ、この世界から。

       だから僕は謝りたい。私ではなく僕は謝りたい。それが如何に想像力の欠けた行為か分かっているつもりだけど、欠けているから分からないんだ。許してくれるな、愛しき娘よ。

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