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- 2015/4/9 19:49
- 詩もどき? ~花片~
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- 毎年のこととはいえ、散りゆく桜は美しいの一言。
ただ今年は、咲いた、お花見だ、と思ったら雨ばっかりで散ってしまいました。
そんな雨の後の桜の花びら掃除で思いついた即興短文です。
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辺りは一面の花の絨毯に覆われていた。
ふと少し上を見上げると、絨毯と同じ色の花が咲いていた。
そこには、空に向かって一生懸命に手を伸ばしてるような姿の樹があった。
私はその花の絨毯に寝転がる。
その時、脳裏をよぎるのはあの人のこと。
浮かぶその姿に浮かぶ感情。
甘い、けれども少しの苦さをも伴って。
何故だか涙が零れそうだ。
その時、柔らかな風が吹いた。
風は敷き詰められている花びらを巻き上げる。
同時に樹上の花をも揺らし、新たな花びらが舞い落ちる。
まるで私の想いのようだ。
嫌いなところがあっても、新たに惹かれるところもある。
結局はプラスマイナス0だ。
いや、結局は嫌いといっても心底嫌いではないのだから増えるばかりか。
ただ花と違うのはいつまで経ってもその色は褪せないということだ。
褪せないというのとはちょっと違うか。
却って色鮮やかに、かつ深みを増すとりどりの色。
そう、あの人への想いは枯れることを知らない。
常緑樹のようにいつも私の一部であるのだ。
私は寝転がったまま、樹上に、空に手を伸ばす。
あの人が樹ごと私を抱きしめているように思えて。
私が樹なら、あの人は大空のよう。
あの人の涙が雨で、雨が私を育てる。
そして輝く陽の光を浴びて、私は生きていく。
私が育つのはすべてあの人のお陰だから。
哀しみも楽しさもすべてあの人が与えてくれたもの。
感謝を込めて、私は今日も空に向かって手を伸ばす。
「ねぇ、少しでも私の存在を感じてくださいますか」
そんな思いをも込めて―――――
<了>
- 毎年のこととはいえ、散りゆく桜は美しいの一言。