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    • 2018/12/24 19:56
    • 新宿
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  • "アバター"
    • ~昭和が終わる頃、新宿

      ちくしょう。。ベースギターのあいつ来なかった。俺もぼろぼろだ。

      「やめた!」俺は爆音を背にライブハウスの裏からひとり出た。

      あたりはクリスマス一色らしいが、北風が吹き 足下をゴミがガサゴソ這いずりまわる。

      「もう 帰ろう。」オートバイの近くに行ってタバコに火をつけたとき、『ねぇ タバコちょうだい』と後ろから声がした。

      振り向くと 少年、いや 女の子かな、
      髪は短く だぼだぼのセーターを着ていた。

      「あぁ いいよ」とハイライトを差し出した。ライターを渡そうとすると

      『ライターは持ってるんだよね』と
      タバコに火をつけていた。

      『歌ってたの みてたよ』

      「え? あぁ、ライブ見てたんだ 。ざまあなかったでしょ あは」

      『ふふ、僕も歌ってるんだ』

      「へぇ~、ロック好きなのかい? 」

      『うん 好き』

      「そっか 俺はもう嫌いになったかな はは」

      『そうなんだ。ふふ』と、笑みを浮かべた。

      「。。あ 、そろそろ帰るよ 俺」
      何話していいかもわからず今は 恥じる気持ちがいっぱいで逃げ出したかった。

      『うん、僕も帰ろっかな』と横を向いた 。この娘ハーフなのかもしれない鼻が高いし目は灰色がかってる。

      『へ~バイク乗ってるんだ 革ジャンもカッコいいね』

      「あぁ まあ」

      『ちょっと古くさいバイクだね』とその娘は微笑した。

      「あはは 俺にはこれがちょうどいいんだけどね 安かったし」

      「じゃあ」

      『うん』
      ミラー越しに映ったあの娘は街のネオンを眺めていた。

      俺はオートバイにまたがり新宿を後にした。
      北風を突っ切り飛ばした。

      甲州街道に入るとネオンはだんだん遠ざかり
      街灯と車のライトばかり目立つようになる。

      ちょっと変わった娘だったな 、男の子みたいだし 、だけどアパートについた頃には忘れていた気がする。


      そして一年くらい過ぎた頃か あのとき新宿で会った娘にそっくりなシンガーがテレビに映った。

      はっきり確信できないけど少年っぽい感じやキラキラした灰色がかった目がよく似ていた。



      ~ 久しぶりに新宿を歩いた。もう平成も終わろうとしている。

      くわえタバコもできないし路上で歌ってる奴もいない 、あの娘、いや、あの娘に似ていたシンガーもいない。

      僕は投げ出したが彼女は最後まで歌っていた。

      街は小綺麗になったけど雑踏の中のネオンはあの頃見た感じと違いなんとなく尖っていてキツくなった気がする。







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