らぶつやさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2008/2/9 21:24
- ウチのペットを紹介
-
- コメント(3)
- 閲覧(19)
-
-
- あえて過去形で語りたい、僕の部屋にはケモノがいた。
当然オリに入っているわけだが、ヤツの身体から発せられる野性は、オリに収まるようなチャチなものではなかった。幸いな事に、ボクは昼間は家を空けるためヤツから離れる事ができた。その間はヤツの事など忘れ、言わば一般市民でいられた。ただ、その間でさえも僕は真に自由ではなかった。友人との他愛のない会話の端にヤツは顔を覗かせる。
帰らなきゃ
あんなケモノがいるというのに、僕は家に帰りたくなる。帰巣本能が受動的に作動する。これはとても妙な表現だと承知している。しかし、事実、この‘妙’が起きていたのだ―
気付けば僕はヤツの前にいた。僕が家に帰らされる18時頃には、ヤツは目覚めている。僕の気配を感じるや否や、その耳を傾け、閃光となってこちらに近付き、オリにしがみつく。哀れなケモノだ。僕がいなきゃ食欲を満たす事さえままならない。
――だから、僕が家を10日空けた時に、ヤツは動かなくなった。なんて哀れなヤツだ。無限に広いこの世界に生まれ、極めて狭い空間でしか生きられなかった。
あえて過去形で語りたい、僕の部屋にはケモノがいた
- あえて過去形で語りたい、僕の部屋にはケモノがいた。