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    • 2013/4/7 21:29
    • 余録10:ヨウコのココン東西(4)
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    • 残虐な玉藻の前とは打って変わり、日本での妖狐は少なからず情愛に満ちた姿を見せます。狐と結婚する話、これも遡ればかなり古いものですが、いつ頃からあると思います?




      9世紀に書かれた『日本霊異記』上巻第2話。天皇が狐と結婚する話があります。いわゆる「狐女房伝説」というやつで、結婚してしばらく幸せに暮らすものの、最後には正体がばれて一緒にいられなくなる。男や子供の身を案じ、狐が自ら姿を隠す…というお話。


      狐は親子の情が深い生き物だと言われていました。例えば血のつながっていない子供の子育てに参加する、激しい子別れをする生態などが昔から知られます。このことから、情の深い生き物として異類婚姻譚の題材に取り上げられるようになったのでしょう。


      信太森の狐も、悲恋を経験した狐の一人です。






      10世紀の初め、安倍保名(あべのやすな)という貴族の男がいた。由緒正しい家の生まれではあったものの父の代にて没落してしまい、家名再興のため信田森の神社に参拝に向かう。


      参拝の道にて、男は1匹の白狐と出会う。どうやら狩人に追われている様子で、怪我をしている狐を不憫に思った男は狐をかくまう。狩人は暴力を振るってまで狐の居場所を聞き出そうとするが、男は最後まで口を割らない。


      狩人が立ち去った後、怪我をした男の前に美しい女性が現れる。女性は葛の葉と名乗り、男を介抱して家に送り届けた。のみならず、男の家に泊まり込みで看病までする。やがて二人は恋仲となり、一児をもうけた。生まれた男児は童子丸と名付けられる。


      この葛の葉、実は男が助けた白狐の化身であった。正体を隠したまま数年の間は夫婦として幸せに過ごすものの、童子丸5歳の折、ふとした拍子に息子に正体を見られてしまう。知られてしまっては最早一緒には暮らせず、葛の葉は泣く泣く男の元を去る。


      残された童子丸は立派な男児と成長し、安倍晴明と名乗る。天皇の病を治すなど優れた神通力を示し、父の悲願であった家名の再興を成し遂げた。






      ちなみに… 一説によれば"狐"、当時の被差別民の呼び方だったのではないかと言われます。「五位までは人のうち」と言われた当時、身分が低ければ人間扱いされないことは珍しくなく、時として「鬼」「河童」「蛙」「蛇」「狐」などと呼ばれました。


      葛の葉ももしかしたら身分の低い生まれで、身分違いの恋が悲劇を招いた物語だった、かもしれません。

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