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    • 2013/4/7 21:29
    • 余録10:ヨウコのココン東西(2)
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    • さて、九尾の狐。一般には『封神演義』または安倍晴明に関する逸話が有名だと思います。色香で権力者を惑わし、治世を乱す妖獣ですね。




      元々中国では、狐を淫獣と見なす考え方がかなり古くからあったようです。紀元前に書かれた『詩経』という詩集の中に、すでにそんな記述があります。曰く、「狐は、妖媚の獸である」。


      さらに言えば、『山海經』という紀元前3世紀頃の書物の中では、




      【山海經 南山經 南山經之首】
      九本の尾を持った狐のような生き物が生息する。赤子のような声で鳴き、人を喰う
      【山海經 東山經 東次二經】
      九本の首と尻尾、虎の爪を持つ狐のような生き物が生息する。名は?姪(リョウシツ)、赤子のような声で鳴き、人を喰う




      色気以前に化け物扱いですね。まあ、狐"のような"生き物と言っているだけで、九尾の狐とは言っていないですが。




      ただ、九尾の狐が邪悪なばかりな存在だったかと言えば、そうでもありません。『白虎通』という後漢(1世紀~3世紀初め)の書物では、統治者が徳のある治世を行えば天下に縁起の良い鳥獣が現れる、九尾の狐もその1つだ、と言っています。


      当時、九尾の狐は子孫繁栄の証、縁起の良い霊獣だったらしいです。さらに同時期の書物『呉越春秋』の中では、禹王(古代中国の伝説的な王様)が九尾の白狐を娶るシーンがあります。曰く、「九尾は王の証」だとのこと。


      ちなみに陰陽道では奇数を"陽の数"偶数を"陰の数"として、奇数を縁起の良い数だとする考え方があります。九は陽のうちで最大の数と言うことで、縁起がいいんですね。
      陰陽道それ自体は日本独自のものですが、奇数を縁起が良いとする考え方は古代中国から伝わってきたもの。九は「天」、五は「君主」を意味し、「九五の尊」で「天子」を意味する言葉になります。もっとも、現代中国ではむしろ偶数の方が縁起が良いようですが。






      以上です。要するにまあ、九尾の狐は聖邪の両側面を持っていたということですね。




      邪悪なイメージが勝るようになったのは、先に書いた『封神演義』の影響が大きいでしょう。悪役の妲己が"九尾狐狸精"だと呼ばれているシーン(巻96他)があります。
      もっとも『封神演義』成立はたかだか400年前。6世紀ごろには「妲己=九尾狐」説はあったようなので、『封神演義』のせいばかりとも言い切れませんが。




      さて、ここまでは中国の話。ここからは日本でのイメージを見ていきましょう。

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