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- 2015/12/13 18:30
- 魔術師探偵異聞録3-164
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- 「ふやうっ」
恥ずかしさと驚きの混じったひよこの声が聞こえる。
「ったく、こんなに濡らしてるし」
呆れた声ながらも結縁は優しくひよこを見下ろす。
「は、恥ずかしいです」
ひよこは頬を赤らめ、目を潤ませながら結縁を見上げる。
「ほら」
結縁は微笑みながらひよこに手を伸ばす。
「はうぅ」
ひよこはそっと、結縁の手を取る。
「だから川底は滑るから気を付けろって言ったろ?」
言いながら結縁はひよこを引っ張り起こす。
「ふええん。痛かったよぉ」
立ち上がったひよこは、反対の手でお尻の辺りを擦っている。
ここは町内にある河川の一角。
両岸には遊歩道があり、土手の上には車道もある。
広めの河川の割りには流れが緩やかで、浅瀬も多く、夏休み真っ只中のこの時期は、親子連れや学生同士などが遊びに来るポイントである。
そんな中で、下から、膝ほどまである長靴、ジャージ、Tシャツ、鍔の広い麦わら帽子姿の結縁が、河川の中程で盛大に尻餅を突いたひよこを引っ張り起こしていた。
ひよこも結縁と同じような格好をしている。
辺りを見渡せば、似たような格好をした大人達や子供達。
合わせて数十人がゴミ袋片手に河川の中や、遊歩道付近でゴミ拾いをしていた。
結縁の傍らでは、
「分かってましたよ?!分かってましたとも!こんなコトくらい予測済みでしたとも!」
菜々美が半分ヤケになりながら、物凄い勢いで川底のゴミを拾っていた。
- 「ふやうっ」