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- 2015/6/13 22:48
- 第一章 黄巾の乱(中編)
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- 「中国はね。現実世界と同じで、プレイヤーの人口が最も多いんだ。有力チームも数多く存在する。ただし、それぞれが自分たちが一番になろうと潰しあっているせいで、五芒星ほどのチームは誕生していない。常に争いが続いているから、チーム対抗戦も多いし平均レベルも高いんだ。ゲームオーバーになる人数なんかは国別で言えばダントツだね。」
敵の本拠地である山岳地帯への道すがら、沖田さんは説明してくれた。
「運営委員会にとっては、理想的な苗床ですね」
「その通り。ただし、最近になって一つのチームが台頭してきた。少し前までは人数こそ多かったものの幹部連中が無能で、周囲のチームに小突かれては逃げるだけの弱虫集団だったんだけどね。ある時急に、リーダーが変更した。それからの彼らはまるで生まれ変わったかのように、人数に物を言わせてチーム対抗戦を頻繁に仕掛け、周囲のチームを潰しはじめたんだ。有力なところをある程度潰した後は、まわりの小さなグループに脅しをかけて自分達の傘下に取り込み始めた。今じゃ国内の三分の一のプレイヤーが所属し、世界でもレッドキングダムに次ぐマンモスチームさ。」
「それが、今から行く『黄巾党』ですか・・・」
「うん。知っての通りチームリーダーの変更は、リーダー自身がDIMで操作して行わなければならない。ただし前のリーダーだった張角という男は、とても臆病な男でね。自分から、その地位をみすみす手放す男じゃない。」
「なんかキナ臭いニオイがするわね~。おもしろそうっ」
アニーがタバコの煙を吐きながら口を挟んできた。走りながらでもタバコを手放そうとしないし、ドレスにハイヒールという非効率的な格好のくせにまったく苦にしてない。
「新しいリーダーはどんな野郎なんだ?」
更にユキヤが先頭から振り返りもせずに尋ねてくる。目の前の草木が見えないなにかに押し分けられて道ができてるのは、どうやらコイツの能力らしい。意外と便利なやつね。
「調査班の話では、魯俊儀(ろしゅんぎ)という名前の男らしい。戦闘レベルだけなら1万程度らしいけど、油断は禁物だ。」
「レベルは低いけど能力で大物食いをするやつなんて、ザラにいるものねー」
「ま、要は戦い方ってこったな」
ユキヤとアニーは気が合いそうなので結婚すればいいと思う。
(コメントに続く)
- 「中国はね。現実世界と同じで、プレイヤーの人口が最も多いんだ。有力チームも数多く存在する。ただし、それぞれが自分たちが一番になろうと潰しあっているせいで、五芒星ほどのチームは誕生していない。常に争いが続いているから、チーム対抗戦も多いし平均レベルも高いんだ。ゲームオーバーになる人数なんかは国別で言えばダントツだね。」