かめさんとモバ友になろう!
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- 2013/4/13 10:57
- 狩りとも、プレイ中!
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- 「国が傾く?そんな恐ろしい…」
アリシアには信じ難い話だった。
「国ってのはさ、極論を言えば巨大な経済団体なんだ。王女様の統治すら経済活動と言っても過言じゃないさ」
アリシアは考えた事も無いカメの言葉に驚いた。
「驚くのも無理ないか。王女様の御英断の全ては経済活動ではないけど、国を護る事は国民の、そして王女様の生活を護る為のもの。生活は経済なのさ」
「王女様在っての国です!」
アリシアは思わず語気が強くなってしまった。
「あぁ、ごめん。怒らせるつもりは無いんだ…でも、世界には王のいない国も存在するんだよ」
アリシアは初めて聞くカメの話に少なからず衝撃を受けた。
「もちろん、この国の王女様は素晴らしい御方さ、世界的に見てもね。でも、言いたい事は王女様の在り方じゃないんだ」
カメは言葉を区切りアリシアを見つめる。
「経済の重要性とその中心が、何か…ってことさ」
「…金貨なんですね」
アリシアの呟きにカメは頷いた。
「そうだね。全ては金貨で量られる。俺達ハンターの報酬も兵士の給金も金貨。また、農民の作物も漁師の獲る魚も、全ては金貨に変換されるんだ…それを踏まえて、では、金貨は何処から生まれる?空から降ってはこないよね」
「…金…」
アリシアは呟いた。金が高価で価値の有る物だとは知っていたが、改めて考えた事はなかった。生活に困った事は無かったが、裕福とまで呼べる暮らしではなかった。金貨は生活の一部で、そこに当たり前に存在する物だった。
「うん、金貨は金から造られる。もちろん流通する…人から人へ回転される金貨がその大半なんだけど、人が増えれば金貨も増やさなければ金貨の価値が変動してしまう…少し難しいかな?」
アリシアは首を横に降ってから答えた。
「10人が100枚の金貨を分ければ1人10枚…100人になったら1人1枚…ということですよね」
カメは微笑んだ。
「そうだね。ただその単位が莫大に大きいのさ。それで…今のこの王国の現状は非常に難しい状態にあると言えるね」
アリシアは赤面していた。他国から来訪したハンターが国民である自分よりも王国の事を知っている気がしたのであった。
「…少し恥ずかしいな」
アリシアの呟きはカメに届かず暗闇に消えていった。
- 「国が傾く?そんな恐ろしい…」