ノモイさんとモバ友になろう!
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- 2012/6/30 18:40
- ブルートレインに乗って
・・
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- 車窓を伝う雨の雫にそっと指を触れてみた。
感じるはずの無い滴りに、涙の味を思い出し、遠くに離れて行く街の明かりが妙に愛おしく思える
上野発16:20分 寝台特急カシオペア 夢を乗せて北に向かうはずのデラックスルームは、
日常の刹那から逃れようとの思いをのせて 一路北の大地を目指す。
宵闇の中を更なる闇に向かって
これから長い夜の中を・・
もう、あの師走の喧騒はここには無い
在るのは疾駆する車輪の音と、
真新しいリネンの香りだけである
大宮駅を過ぎて郡山あたりから外はすっかり雪に変わり
指でなぞった雫はもうない
此処からは北の大地 凍てついている筈の 街並みの灯りが
暖かくかんじる
『お腹すいた』
小さな声で傍らのソファーにすわっていた彼女が呟いた
雑誌に目を通していた眼差しに視線を送ると、少し頬を赤らめた屈託のない笑みがこぼれている
『着替えようか?』
間もなく、予約しておいたディナーの時間
彼女はジーンズの上に赤いカーディガンを、
僕はボタンダウンのスミス&スミスのシャツにアメ横で買ったタータンチェックのタイをわざと緩く締める
入り口のドアを開け 持つ肘に、彼女の膨らみがそっと触れた
一瞬ドキッとした鼓動を隠すのに、
『ワインはロマネでいいよね』と大きめな声で話し掛けると
『赤ね』と少し意地悪な笑みを口元に浮かべ僕の前を歩きだす。
今夜は忘れられない夜になりそうだ
と、云うような妄想を何故かしらしてしまう今日この頃
あ~あ・・・
どっか行きて~~
- 車窓を伝う雨の雫にそっと指を触れてみた。