ルナあいすさんとモバ友になろう!
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- 2013/9/16 0:39
- ミエナイチカラ
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50M走
全国屈指のスプリンターすら叩き潰す、僕の真の専門種目。それが50M走。
正に、「瞬発力No.1決定戦」
その王者を決める大会が昨日行われた。
そんな今年最後のお祭りも、研究室の許可が下りず出れない所だった。
だが、教授に突然の出張が舞い込んだ。
でも、申し込みは2週間以上前にとっくに締め切っていた。
僕は、ダメもとで大会本部にメールを送った。
すると、
「来て頂けるときっと子供達も喜びます」
そう快諾してくれた。
正に幸運。
見えない力が働いたような気がした。
僕はこの大会の大会記録を持っている。
朝原選手の日本記録まで0.1秒。
立派な記録だと胸を張れる。
だがその分、万全でなくては更新が難しいと、出した自分が一番良くわかる。
悔しいが、今の僕の体調では、まぁ勝てれば良し。記録よりまず連覇を優先。守りに入りたい。
が、消極的な走りではチャンスをくれた主催者に申し訳ない。
やれることをしよう。
そして体重を大きく落とし、無理矢理軽さで足を回せるようにして大会を迎えた。
-予選-
いきなり5秒台が出た。
悪くない。
決勝に備えた。
そして決勝。
今年一番集中した。
そして号砲。そこで僕は人生初のフライングを犯した。
この大会ではフライングしたら、スタート位置を下げられる。これが地味に辛い。
仕切り直してスタート。
「記録を」という過度の緊張が走りに硬さを生んだ。
予選より0.1秒遅い。
ベストより0.2秒遅い。
やってしまった。
大会記録更新はならなかった。
でも、みんな連覇達成を喜んでくれた。
ホントは記録更新の衝撃をプレゼントしたかったが、その歓喜に救われた。
そこからはAKB並の握手会。
そんな中、「サイン下さい」との声。
声の主はご婦人だった。
中学に上がる息子さんが、去年の僕の走りを見て以来、ファンだと言う。
だが、お子さんは病で走れなくなっているらしい。
でもサインを見ればきっと勇気が出るから、とのこと。
僕はサインの後、会釈をする婦人を呼びとめ、
「これを」
と、優勝を決めたスパイクを脱いで渡した。
昨年、初任給で買ったスパイク。
100m走で自己ベストも出した、思い出のスパイク。
でも迷いは微塵もない。
僕は悟ったから。
今日、神様が僕をこの大会に出させてくれたのは、記録を更新する宿命だったからではなく、
一人の少年を、元気づけるためだったんだと。