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- 2012/6/7 9:05
- 物語『クレヨン』
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- 僕はクレヨン。
真っ白な真っ白なクレヨンさ!
クレヨン同士の中では「君は一番キレイな色しているね。」とか、「君が一番他の色とも仲良くなれるよね。」とか言われるが、自分は決してそんな事は思ってない。
『自分には他の皆と違って色が無い。いや!きっと色はあるんだろうが、この大きく真っ白な画用紙には何も描けやしない!』
そう思っていた。
むしゃくしゃした僕は赤色君がついている場所に自分の頭を滑らせた。
すると、赤色君が少し薄くなってしまったのだ。
『僕は自分の色を出せないばかりか、他の色まで奪ってしまう邪魔者なんだ。』
僕はそう核心した。
だが、ある日水色君が画用紙いっぱいに色を塗っていたところに僕が呼ばれた。
画用紙をよ~く見てみると、水色君が描いた空のあいだあいだにいくつかスペースが空いてあった。
僕は?マークがたくさん!
そこで水色君に聞いてみた。
「ねぇ水色君。なんでこの空のあいだにスペースを空けているんだい?」
水色君は言った。
「白色君。今日は良い天気だねぇ…。」
と言い、画用紙の上に寝転んだ。
僕の質問に全く答えてくれない水色君。
僕は少し怒って言った。
「水色君!僕の質問聞こえてた?」
寝転んでいた水色君は答えた。
「白色君。君は空を見上げた事があるかい?空にはね、水色と同じくらいの白色があるんだよ?」
「君は白色でいいんだ。君が居なきゃ困るんだよ。」
そう言った水色君はケースの中へと戻っていった。
僕は空を見て思った。『僕にも掛ける物があったんだ!』そして今度は白色君が画用紙の上を何度も何度も行き来した。すると、前より少し背が縮んだ。
白色君は嬉しかった。
自分が必要とされているっていう事が肌で感じられて…
そのあと白色君もケースの中に戻って水色君に「さっきはゴメンね。ありがとう。」と伝えた。
水色君はニコッっと笑い、「また一緒に空描こうね。」と言ってくれた。
- 僕はクレヨン。