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    • 2013/12/25 22:00
    • クリスマス 02
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    •  涙の行き場というものは決まっていて、それはいつしか海に流れる。冷たい海水に浸かる幼女は、その躰が少しずつ底のほうに沈んでいくのを感じながら、女学生の淀んだ表情を思い出す。そうするとこれは反射的にさらなる涙が溢れ出てくるけれど、海水とまじってよく判らない。少なくとも自分はあの女学生と出会うまでは幸せだったのだと幼女は思う。それまでの幼女は涙というものを知らなかった。産道を通って産まれた幼女は泣かなかった。それとは逆に笑顔で笑いながら大きく息をするものだから、母親のほうも大いに笑った。それからの六年ばかりの人生においても、幼女が泣くことはなかった。それはある種の笑顔の象徴であるかのように幼女は扱われた。
       幼女の涙は止まらない。それはここ六年のツケがまわってきたようでもあり、このままいけば約十時間後に世界は沈没するといった予測をとある科学者が示唆する。瞬く間に世界は大混乱の渦に巻き込まれ、対幼女笑顔プロジェクトがあちこちで建てられ、すぐさま実行に移される。しかしこれは残念なことに、彼らは幼女の涙の理由を知らない。愉快な音の鳴る人形や最新のゲーム機器を持ってしても幼女が泣き止むことはなく、むしろ悪化の一途を辿ることになる。いっぽうの幼女は、女学生の笑顔が見れればそれでよかった。その笑顔だけが唯一求めるものだった。けれど対する女学生はあいも変わらずに、憂鬱な表情で妹を睨む。睨まれた妹のほうも妹で、私は悪くないのだけれどと口ずさむ。
       悪いのはあなたのほうなのだけれど。

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