(・∀・)ノさんとモバ友になろう!
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- 2013/8/22 16:21
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砂場と滑り台、そしてブランコだけのある、とても小さな、つまらない公園だ。それでも休日の昼時になると多くの幼稚園児や小学生で賑わっている。彼らにとって、そのクオリティなんてものは、案外どうでもいいのかもしれない。そこに一つの安定した場所があれば、それだけで十分なのかもしれない。
夜の公園は、けれど、酷く寂しい。電灯だけがその周りを照らし、なんでもない景色がそこに浮かび上がる。
きぃ──とブランコが揺れた。
風だ。風が吹いている。それがブランコを揺らしている。ブランコの両脇に繋がれた鉄の鎖が、こすれて音を出している。やすなはそう考えて、けれどすぐにそれを否定した。
声がしたからだ。やすなを呼ぶ声が。暗がりの中から投げかけられた声は、紛れもなく内宮ゆいのそれだった。
駆け寄ると、そこにはまるで夜をまとったみたいなゆいの姿が浮かび上がった。ブランコを漕ぐゆいは、たぶん、笑った。
「黒い服着てると、全然わかんないね」
やすながそういうと、黒いワンピースとスカートをまとうゆいは、そうかなと微笑んだ。
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