タナビーさんとモバ友になろう!
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- 2011/10/24 4:54
- やながわ少年記NO.33
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「そげんかおもちゃみたいなもんなんで買わなんね!!遊ぶだけやろもん!!」
おかんの言い分はもっともであった。果たしてバリ勉強をしたい人がゲーム付きの筆箱を買うだろうか?答えはノー。冷静に考えれば明白な答えであった。僕はおねだりスタートでもう重大なミスを犯していたのである
しかしこの時いやこの際細かいことなどもうどうでも良かった
「野球筆箱あったら次テストで100点取るけん。なんでも言うこと聞くし、手伝いもする。肩も叩くし、もう他はなんもいらんけん!!」
我ながら馬鹿げた交渉であった。今考えるとたかが筆箱一つにそれほどの価値があったのか不明である。それも分かっていた。しかしこの時の僕にとってこのカンペンケースは全てを投げ打ってでも手にしたいものであった
いつもなら絶対に駄目なパターンであるが、あまりの迫力に圧倒されたのか?または単純に文房具だったからなのか?おかんは意外なほどすんなりと僕の願いを受け入れてくれた
「勉強せなんよ!!しょんなかね!!今から買い物行くけん寿屋で買ってくるたい!!それでよかやろ!!」
「やった~!!」
僕は飛び上がる勢いで喜び叫んだ。その後詳しくカンペンケースの特徴を説明すると、買い物にでかけるおかんを満面の笑顔で見送った
おかんが帰ってくるまでの間は興奮してよく覚えていない
ほどなくするとおかんが買い物から帰ってきた
「ほら買ってきたけんね!!えらい探したよ!!寿屋になかったけん白水堂まで行ったよ!!お手伝いと勉強、約束守らやんよ!!」
そう言うと、おかんは少しファンシーな白い紙袋を僕に手渡してくれた
「うんバリ頑張る!!ありがとう!!」
僕は夢中で紙袋を破くと中からブルーのカンペンケースをひっぱり出し蓋を開けた
するとそこには違う意味での驚愕が待ち構えていた
「ゲームがないっ!!」
また叫んでしまった。いくら探しても中敷きもバット型鉛筆キャップも金属製のボールも入ってはいなかった
呆然としながら蓋を閉め表面をよく見てみた。そこには西武ライオンズのマークがちょっと遠慮気味にイラストされていた
もう一度中を開くと薄っぺらい紙キレが一枚
「GO!!GO!!ライオンズ!!」
知らんっ!!行かんっ!!違うっ!!てか西武ファンでもないっ!!
その後再三の抗議も実らず僕は約半年をエセ西武ファンとして過ごすはめになった。毎日おかんのお手伝いさんとしてこき使われながら
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