タナビーさんとモバ友になろう!
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- 2012/3/24 2:55
- パークストリーNO.2
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- つづき
とりあえずギザ10(前回参照)について力説する段ボーラーの迫力に負け、一切れ食べ終えたトンカツ弁当を段ボーラーにあげることにした
「分かりました。どうぞ。」
渋々手渡す
「おぉ!!なんか悪いね!!」
「でもなんというかね…これ2000円の価値あるからねぇ~。困ったね~。お釣りとかね~。」
えっ!!…えっ!?てかお釣りってなによ!?……黙って聞いてたら…さてはてめぇ弁当だけでは飽き足りず金まで巻き上げようって腹だな!?お前はストライカ-か!!フィリッポ・インザーギか!?貪欲が過ぎるわ!!
「いや大丈夫です…貴重な10円だろうから大事にして下さい(怒)」
「なんかごめんね。ただでもらっちゃったみたいになっちゃったね」
そう告げると、段ボーラーは雑巾みたいな汚い笑顔で僕に手を降り、その場を後にした
…どう考えてもただだろ!!これもう立派なトンカツ詐欺だよね!!というかギザ10の時点で立件だわ!!
僕は彼の宝物を譲り受けること自体面倒臭くなり、弁当を手切れ金に彼との関わりを絶つことを選んだ
ことの顛末に呆れながらもようやく段ボーラーに解放された僕は、しばしその場で休息をとることにした
さっきまでの喧騒が嘘のように、辺りには暖かくて穏やかな空気が流れていた
あまりの心地良さに睡魔に襲われた僕は、うとうとといつの間にか眠りについていた
…トントン…トントン…
誰かが僕の肩を叩いているような気がした
「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!生きてるね!?」
気がつくと、目の前にうっすらと見た顔が浮かび上がった
…きったない顔だぜ…ん?汚い顔?…段ボーラー!!
そこにはさっきトンカツ弁当を手渡した段ボーラーがじっと僕の顔を覗き込んでいた。隣には明らかに段ボーラーだろうもう一人の男が静寂と共に立っていた
「うわっ!!近っ!!どっどうしたんですか!?」
突然の再来者に驚いた僕は叫び声に近い声を出してしまった
「う~ん実はね。こいつも凄いの持ってるから見てもらおうと思って」
そう言うと、彼は隣の男になにやら合図を送った
その男は、何を発することもなくただ黙って僕に右手を差し出した。彼の右手には少しくすんだ5円玉が握られていた
白髪混じりの長髪に目鼻立ちがはっきりとした濃い顔は北斗の拳の登場人物トキを彷彿とさせた
「これは穴の位置が少しだけズレている珍しいもんなんだよ…」
…なんとなく状況は飲み込めた
つづく
- つづき