ももボンさんとモバ友になろう!
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- 2012/3/26 1:03
- きつねの窓
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- 猟師のぼくは、
ある日山の中で
道に迷います。
迷い込んだのは、
見たことのないききょうの花畑、
そして染め物屋。
染め物屋の小さな男の子、
それは、
ぼくがさっき撃とうとしたきつねのこどもでした。
でもその子はぼくに、いいものを見せてあげるというのです。
両手の親指と人差し指に、
ききょうの青い汁をつけて、
指を合わせて窓にしてみると…
その中には、
自分が一番逢いたい人が映るのでした。
きつねの子の窓には当然、
親狐が映ります。
ぼくにも逢いたい人がいました。
ずっと昔大好きだった、
そして、
今はもう決して逢うことのできない女の子。
きつねの子は、
僕の持っている猟銃とひきかえに、
指に青い汁を塗ってくれました。
おみやげに、なめこなんかもくれました。
指で窓を作るとあの子が映っていました。
次に見ると、子供の頃の家に自分と妹の姿が…。
あの家は昔焼けてしまって、
妹も死んでしまっていないのに…。
けれども家に帰った僕は、
何気なくその手を洗ってしまい、
指の魔法は溶けてしまった。
指で窓をつくっても過去が見えることもなく、
そして再びききょう畑の子ぎつねに会いに行っても、
もう2度と会うことはなかったのだった。
- 猟師のぼくは、