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    • 2010/3/17 10:55
    • キミカレ小説?番外編
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  • "アバター"
    • ガラにもないってわかってる。
      それでも早足になるのを止められないんだ……


      オレンジ色の日差しが校舎を占領しはじめた頃、アイツの待つ教室へ向かう。

      先に帰れって行ったのに待ってるとか面倒くさいなんて、口では言っても本当は嬉しいんだ。
      素直になれない俺。
      本当に俺でいいのかよ?
      俺は嫌われものだし、一緒にいたらお前まで怖がられるぞ。
      だから皆のいる前じゃ極力話さないようにしてるのに。
      お前が来たらやっぱり嬉しいし、他の男と喋ってたら拐いたくなる。
      こういうのを嫉妬って言うんだよな。
      お前に会って初めて知ったよ。

      俺は少し息を切らせながら勢い良くドアを開けた。結構大きな音を出したのに、お前は机に突っ伏したまま動かない。

      「……」

      寝てるのか?
      俺は出来るだけ静かに近づいて顔を覗き込んだ。
      やっぱり寝てる。授業が終わってだいぶたつし、一人でいたんだしょうがないよな。
      むしろこんなに待たせて罪悪感すら沸き上がる。

      「わりぃ……待たせた」

      起こさないようにボソリと呟き、コイツの前の席の椅子に座って、まじまじと目の前にある顔を見つめた。
      柔らかそうな肌に折れそうな体。可愛い寝顔。
      ……ヤバイ、なんか色々。
      無意識のうちに俺の顔が近づいていく。
      胸が、鼓動が、うるさい。
      一瞬だけ唇が重なって、飛び退いた。
      何やってんだ、俺。寝てる相手に最悪だ。
      なんか色々ぐちゃぐちゃになって、思わず帰ろうとした。だって会わす顔がない。

      でも、やっぱり寝ててもお前はお前だな。

      「佐ノ……宮く……」

      「っ!!」

      お前と来たら寝てるくせに、俺の名前を呼んで幸せそうな顔で笑っちまうんだから。
      俺は全身の力が抜けてまたその場に座り込んだ。

      多分顔が真っ赤になってる。熱い、熱い、火が出そうなくらい。

      まだ起きてくれるなよ。もうちょっとだけ時間がほしい。
      そしたらほんの少しだけど優しくするから。
      お前が少しでも喜んでくれるように。


      お前が俺のそばにいて幸せを感じてくれたらいい。
      俺はお前がいてくれて幸せなんだから。

      END


      尻切れでごめんなさい……何か色々ごめんなさい(土下座)

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