エイシルさんとモバ友になろう!
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- 2011/5/29 12:05
- セリナ④
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- 『ええ、奪って殺してちょうだい。ご用件はなんでしょう?』
男は内心自分が馬鹿にされていると感じていた。
その男はセリナに夢中になり、その質屋に通いに通いつめていた。
そのために、無駄に宝石や時計を意味なく買い、ついには大きな借金を抱えるほどだった。
そのため冷静さを失っており、愛情は全く変な方向へと行っているようだった。
『今日エス氏はいないのかな?ではこの包みを渡しておいて欲しい。なぁに、ただの酒さ……前に品を値引きして頂いたからそのお礼だよ』
『ええ、渡しておくわ。ご用件はなんでしょう?』
『いや用件は終わりだ。じゃ頼んだよ』
そう言い残して男は出て行った。もうこれでここに来るのも最後だと、そんなことを思っていた。
暫くしてエス氏が事務所へと帰ってきた。どうやら裏の仕事仲間数人と一緒のようだ。皆が体のよい男で黒いスーツを身に付けている。何か商談でもこれから行うつもりでいるのだろう。
『ん?何だそれは』
エス氏はセリナの持つ包みに気が付き、それを受けとった。
ビリビリとのし紙を破り箱を開ける。
『はは、こりゃあいい。酒が入っている。客が来たのか?まぁ細かいことは抜きにちょうど良い。晩酌しながら話しでもしましょう』
『では、お言葉に甘えて』
エス氏は黒スーツの男たち数人へ機嫌よく振る舞うと、二階へ案内するように一緒に消えていった。
そしてグラスを用意し瓶のコルクをポンと開ける。
すると何やら瓶の中の液体が蒸発するように、その場にいる全員の身の回りを包みこんだ。
『な、なんだこりゃ……』
すると、徐々にエス氏と黒いスーツの男たちは意識と息を失い倒れていった。
バタリ……バタリ……バタリ……。
それからは誰もその二階からは降りてこなかった。
その日は珍しく戸締まりの時間を過ぎても灯りは消えないでいた。
『ご用件はなんでしょう?』
彼女はいつも通りの言葉を発する。
もうすぐ時計の時刻は午後の九時を回ろうとしていた。
-END-
雨ばかりで暇なんで最近は仕事場でも小説を読んでます。とりわけ自分はショートショートが好きなんですが、少しだけ自分でも考えてみました。オチはイマイチだったか…汗
台風とゆう事で、する事もないのでサラサラと乱書きしたものです…
皆さんお元気でしょうか?
私は久々に車で山行きたい気分
久々の日記がこんなので申し訳ないです(冷汗
- 『ええ、奪って殺してちょうだい。ご用件はなんでしょう?』