もげたぬさんとモバ友になろう!
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- 2012/3/1 21:17
- ディアブロ③
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- PKに遭ったのは初めてではなく、むしろ「狩られる側」のルーキープレーヤーだった僕は、多少不愉快に思いながらもいつもの事だと割り切ろうとしていた。
「yowawww(弱www)」
と、僕の死体のそばでおちょくるように走り回られ、日本語で馬鹿にされるまでは。
ワンルームの狭いアパートだったけれど、テレビもコンポも置いていなかったし、シングルのソファーベッドとちゃぶ台以外に家具もなくて、日当たりが良かった。
僕はノートだったからちゃぶ台で、彼女はパイプ椅子にiMac本体を、「いそーろー(居候)専用」と書かれた引き出しを裏返しにした台にキーボードとマウスをのせて遊んでいた。
僕は「バーバリアン(馬場)」というゴリマッチョの近接戦闘キャラを、彼女は「アマゾン(尼)」という投射攻撃キャラを好んで使っていた。
馬場のように特攻する、というか地獄の怪物達に近付くことを恐れた彼女の選択が弓特化型尼だった。
おどおどしながら進み怪物を発見し、離れたところから矢を連射し、怒った怪物がこっちに来る前に殺し、落としたアイテムを拾い、そしてまた怪物を探す…尼はそんな、馬場とは対照的なキャラだと思っていたのだけれど、僕を狩った日本人PKの使っていたのもまた尼だった。弓特化型の。
屈辱と遺体をそのゲームに残して逃げることは出来た。そうすればGold以外に失うものはなかった。でもあの時は別だった。
英語やフランス語ではなく、日本語での罵倒だったのだ。グラサンかけなきゃ目も守れない劣等白人共ではなく、国際的に文字化けする朝鮮人でもなく、日本語による罵倒が許せなかったのだ。
結果僕の馬場は身ぐるみを剥がされ、無職の彼女が一生懸命に貯めた「欠けた宝石」を数千個集めてやっと交換できる程の装備を失った。
どっちが居候なのか分からなくなるくらいの申し訳なさ、怒り、悲しみ、屈辱を覚え、そしてどこの誰とも知らずいつ再びまみえるとも知らぬ一日本人プレーヤーに対して僕は、限りなく燃える憎悪と復讐を誓った。
- PKに遭ったのは初めてではなく、むしろ「狩られる側」のルーキープレーヤーだった僕は、多少不愉快に思いながらもいつもの事だと割り切ろうとしていた。