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- 2015/10/14 0:03
- 蝶番
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- 蝶番、チョウバンではない。
チョウツガイと読むのが本来正しい。
毎日多種多様の蝶番を扱っているが、従業員の全てがチョウバンと呼び、自分もそれに含まれる。
外箱にも丁番と書かれてあるし、英語表記はヒンジhingeが一般的だ。
番には序列を表す一番二番等が多く用いられるが、番傘は粗末な意を、番茶なら常用の意味がある。
しかし番長は親分だから、一番の更に上、そんな意味だろうか?
その番が何故か動詞になるとツガ・うと読まれて雌雄のツガイはこの字が当てはめられる。
蝶番には外蝶番と隠し蝶番があって、戸を開閉する時に外部から見えるか見えないかの違いだが、総じて言えるのは一つでは戸としては成り立たず、グラグラする。
だからツガう訳だ。
昔を思い出す事が最近増えてきたのは年のせいかもしれないが、母親の嫁入り道具に桐の箪笥があって、その戸には外蝶番が設えられていたが、文字通り蝶の形に細工されていた。
鍵穴のこさえは四ッ目結いが花びらのようにされたものだった事を鮮明に思い出せる。
部品の域にまで工芸品としての細工を施す箪笥など昨今では超がつく高級品に違いないが、母の実家はそれと小さな鏡台の二つを持たせて精一杯だったと後から聞いた。
縁取りも丸みを帯びて、片側に三つあるビス穴も真ん中の一つがやや内側に寄り、目玉や触角さえ彫刻された蝶番をもう見ることはない。
機能性と強度、耐久性は格段に進化した量産可能の今日のヒンジには必要のないものなのだろう。
くれぐれも蝶番と書いてチョウツガイと読むのです。
- 蝶番、チョウバンではない。