雪騎941Xさんとモバ友になろう!
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- 2008/1/4 13:49
- 夕焼けセレナーデ(6)
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- 喫茶店に着き、二人共この間と同じ物を注文する。ミルクティーとカフェオレ。そして、それが来るまで、他愛のない話をする。
「シティーン・ティーンズ売れ行き好調だって」
「シティーン・ティーンズ?」
「えっ?あたし達がモデルしてる雑誌だよ?『City in Teens』……名前も知らなかったの?」
「知らなかった。興味ないから」
瀬恋那が微笑む。俺は、こんなにうまく笑える人を、初めて見たような気がする。瀬恋那は、本当に笑うのが上手だった。モデルという仕事は、瀬恋那の天職かもしれない。
やがて、ミルクティーとカフェオレが運ばれて来た。
「表紙の写真が、大好評だって。瀬恋那と、有幸の表紙」
「うん」
俺はそう言って、音を立ててカフェオレをストローで吸った。瀬恋那は本当に俺のことを好きなんだろうな、と思った。
「彩葉……もうお墓に入ったかな」
「……ああ」
瀬恋那が唐突に話し出した。亡くなったという妹さんの話。この前から、俺もずっとそのことは気になっていた。たとえ知らない人でも――人が死ぬのは嫌だ。
「……会いたかったのにな。いつか絶対会えるって思ってたのに」
「そう……だな」
「遺影でもいいから……っ、彩葉の笑顔が見たい……!」
瀬恋那の頬を涙が伝った。
- 喫茶店に着き、二人共この間と同じ物を注文する。ミルクティーとカフェオレ。そして、それが来るまで、他愛のない話をする。