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2012/9/16 19:41アヌンナキ専用
- ｱﾇﾝﾅｷこの戦乱の時期に如何なる理由からこのような催し物をするのか多くの民衆が感じているのは疑念と不振そもそも、罪人を受け入れる条約を以て戦争を回避したはずなのにいつしか再び戦が始まって安楽の刻は既に遥か幼少の記憶に留まるのみだやがて、兵士の集まったコロシアムに国王が姿を現す「よくぞ集まった高貴なるオデュッセイア兵よ此度は皆の力を我に示して貰わんと集わせた次第汝らの力を示し、故国たるオデュッセイアに貢献せよ」軍事に特化した国の王らしい言葉だ特等席に腰掛けながら闇の眷属は口を笑みに歪める集った兵らにルールが説明される武器はその都度交換手に馴染んだ得物を許さぬと知らされた兵らは不満を現す当たり前だ得物と身体は一体武器一体となるべく鍛錬した武人がほとんど闇の眷属は１人の男を見据える黒刃を差した年端も行かぬ華奢な体つきの少年不安と自信の無さ、しかし己の力を誇示したいと云う邪な野望を秘めた目をしている
- ｱﾇﾝﾅｷリクドウ・リンネがそのキャンプを訪れたのはオデュッセイアの武闘会の開かれる前夜だった殺伐とした雰囲気に多くの僧や尼、医師が顔を背ける中、さして気にした風でもなく稀代の魔人は死体安置所へ足を向ける白刃を携えた赤髪の麗人目当ての人物はすぐ見つかったがらにもなく死人に祈りを捧げている「アナタがカナか？」名を呼ばれ振り向く尼のふりをした王女「アナタは？」問いかけ気付く炯々と光る眼球に刻まれた夜の魔術タナトス一度瞳を閉じれば永久に目を醒まさぬ夢幻催眠目を合わせたカナの命運は尽き永久に幸せな夢へ埋没する地に倒れた女の腰から剣を引き抜く（む？）手に取ったリクドウは奇妙な質感に首を傾げた（既に数多の血を吸っている？）この女が殺生をしたとは考えにくい一国の王女バラディーヌの次期王がキャンプで不毛な救済をしている時点で不可解ではあるだが、戰を非とするバラディーヌが好んで後継者に殺生を教えるとは考えにくい（主に報告をせねば）リクドウは闇に呑まれるように跡形も無く消え去った
- ｱﾇﾝﾅｷ「これはこれはお久しい御仁だ」与えられた部屋に入るなりリクドウは彼に話しかけた「アヌンナキ、否今はゲッコウでしたか？」「アヌンナキで良い貴様は相変わらずのようだなリクドウ」彼は語る「だが、貴様も酔狂な真似をする牢獄とはまた寝心地の悪そうな床を選んだものだな？」笑みを浮かべ語るしかし、金色の瞳は殺気を放ち常人ならば心筋梗塞を起こす眼力は冷徹な意志を孕んでいる幻想たる吸血鬼がたかが人間に負けたのかと訴える「否だ、主よ時の流れが不自然でな暫し身を任せ、計略を練る猶予を欲しただけの事我が従属として務めを忘れたことはありませぬ」頭を垂れリクドウは告げアヌンナキと呼ばれた影は満足げに笑みを浮かべる「さすれば我が命を告げる」誠実さを宿した瞳を向け闇の眷属は神器を編み出す謀を語り始めた