最強の突破さんとモバ友になろう!
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- 2012/2/4 12:36
- 極寒の中
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- 「シュボッ」
あたたかい火をまとったマッチが燃え上がる。そして消える。
その間わずか2秒という、速さで例えるなら100㍍を180km/hの速さで駆け抜けるスピードで命の炎は消えた。
男は決めていた。この火が消えたら死のうと。
最近まで小さいながらも貿易会社を経営し、平民よりはいい暮らしをしていたガオス・ハンプトン。しかし世界恐慌の煽りを受け、会社は父さん倒産。社員らの給料を支払うのが精一杯でガオスは全てを失った。妻は2年前に他界し、寄り添う者もいない。
マッチの火が消えた後、ガオスの脳裏に人生の走馬灯が走り出した。
人が死ぬ前っていうのはどうしてこうも過去の記憶がよみがえって来るのだろうか。
気温は零下14度。
「寒い。死ぬのはやめよう。」
ガオスはその年の夏、新天地を求め、北京に飛んだ。
- 「シュボッ」