祝詞さんの日記

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- 2006/7/22 19:04
- 蛹
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- 最近やけに躯が痒い。それも皮膚ではなくて内が。
  喉の奥位なら痒くなったことはあったが、こんな感覚は初めてで。
  何かで気を紛らわせたい。
  そうしないとイライラしてしまう。
  考えていて、昨日買ったばかりの桃を思い出した。
  あれを食べよう。
  常温のほうが甘いというから、無造作にテーブルに置いていた桃。それを手に取りざらりとした皮を撫でる。
  痒みは次第にひどくなる気がした。
  水道から流れる水で桃を洗う。指を皮に沿わせて撫で回ると、ざらざらした硬い産毛が水に流れてつるりとした感触に変わっていく。
  その感触が好き。
  掌で転がる桃。つるつる不安定な。
  　
  ふいに違和感を感じた。
  　
  痒みが、僅かに痛みに変わった気がした。
  気がした？
  違う。
  痛い。
  腹から背が。
  胸から首が。
  痛みが、動き回っている。足に手に痛みが移動した時、桃を流し場に取り落とした。
  ごとんっと鳴る音と水の跳ねる音。
  桃が。
  きりっと走る激痛。
  何？
  痛い。
  何かが、何かが躯を這い回る。内を。ぎっちり詰まった筈の肉の隙間を。
  無くなっていく現実感
  恐い
  吐き気がする
  確実に臓物の間に指の様な何かが蠢いている
  痛い痛い痛い
  腹からぐちぐちありえない音が聞こえだし背が妙に突っ張る時折喉が何かで塞がる息が出来ない