伊401さんとモバ友になろう!
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- 2011/8/13 17:09
- 同期の桜
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- 昭和20年3月21日、
陽光うららかな日
美しく立派に散るぞ。
そう言って1番機に向かう戦友の胸に俺はまだ蕾だった桜の一枝ん飾って送った。明日は俺の番だ。死ぬ時が別々になってしまったが、靖国神社で逢える。その時は、きっと桜の花も満開だろう。
3月26日花さわやかに開く日
お父さん、お母さん、只今より出発します。この世に生をうけて23年、まさかお父さんやお母さんより、早く死ぬとは、思ってもみませんでした。お母さん泣くなと言うのは無理かも知れません。でもどうか、よく死んでくれたそう言って下さい。私達は祖国を護る為に死んで行くのですから。
4月2日春雨のけむる日、幸か不幸か、俺はまだ今日も生きのびている。だが、雨があがり、虹が橋をかけ、あかね色の夕焼け空が拡がる時に、俺は必ず征く、後に続くことを信じて。俺達の死を決して、犬死にしてもらいたくないのだ。海軍少尉小野栄一、身長5尺7寸、体重17貫5百、極めてケンコウ。
貴様と俺とは、同期の桜同じ航空隊の庭に咲く、咲いた花なら散るのは覚悟、見事散りましょう国のため。
貴様と俺とは、同期の桜同じ航空隊の庭に咲く、血肉わけたる仲ではないが、なぜか気がおうて別れられぬ。
貴様と俺とは同期の桜、離れ離れに、散ろおとも、花の都の靖国神社同じ梢に咲いて逢おう。
- 昭和20年3月21日、