* 玲於奈 *さんとモバ友になろう!
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- 2010/10/14 23:32
- エバーグリーン
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- 辺りに広がる田園風景
夏の夜には蛙の唄が轟き、秋の夕暮れ時には黄金色の稲が映える
窓を開けて景色を眺めるなんて、もう随分久しぶりのような気がする。
昔よく行った家の前を久しぶりに通ると、今じゃ知らないネームプレートが貼られてる。…会えなくなって数年。一体今何処で何してんだろ
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小学校の頃からの付き合いだったけど、当時のアイツは明るくて人気者だった。将来きっと芸能人になるんじゃねぇかなって思ってた
そのクセ正義感が強く、自分の立場が危うくなろうと後先考えずに孤立した奴を庇うような奴だった。
でも年を重ねる事に口数は減って、代わりに独り物思いに耽る時間が増え…
高校を卒業した後、お互いしばらくは浪人生活を送った。
机に座ってひたすらペンを走らせる中、アイツは大学に行く事や、社会で働かなきゃならない意味を考えたり…出口の無い迷路に迷い込んで
途中から予備校に行かず、親に内緒で日が暮れるまで公園で時間を潰したり…
元々表舞台に立つ才能があったのに、どこかで何かにつまずいた。でもそんな独特の生き方が嫌いじゃなかった
最終的には大学に行く…って結論に辿り着いたんだけどね。笑 …でもその後、どんな大学生活を送ったのかは分からない。
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久しぶりに会って話がしたいと思って、
携帯にメールやら電話をしてみる
何にも反応がない。
…一体今何処で何してるんだろ。
時が経つ事数年。
自身の記憶をなぞるように、昔よく通った道を歩いていると…なんだか見覚えのある顔が
そう。
アイツだった…
偶然会えた驚きと久しぶりに会えた喜びが同時に湧き上がる。
普通の生活を送っていたのなら、どこかに就職してる筈だけど…
我が道を歩くアイツがどこそこの企業の一員になって働いてるとは思えない。
「地元から離れた所で今までにない位バイトしてたよ。デッサン教室も通ってる。周りに反対されると思って本当は誰にも会いたくなかったんだけど…フランスで暮らしたくってね」
やりたくない事を我慢して生きていくのが当然の様な世の中に、いっちょドロップキックをかましてくれたような清々しさがあった
アイツらしい考えだ胸の奥底に爽やかな風がスーッと入り込むような感覚が蘇った。
…今夜は星がボヤけてる。
ひとりポツンと眠る月は、雲に覆われながらもなんだか眩い
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