ブクル ⑦さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2010/5/13 13:03
- 理解されない感性
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- 揺られながら本を読んで居る
電車に女が乗ってきた
俺の隣に座る … 鏡を持ち化粧を始める
唇をなぞる指程のstick
独特な脂の匂いが漂う
あまり好きではない匂いだ
俺が本を閉じたと同時に化粧を止める女
目前の扉が開く
女と俺が降りる
駅構内の書店に向って行く女に俺は爆弾を仕掛けてやった
女が書店に入っていったところで爆破スイッチを押した
書店には入らず俺は改札に向う
書店一面に鮮やかな血飛沫が散らばる
横目で見ながらその中にドス黒い血を確認せずに俺は改札を後にする
別に憎かった訳ではない 苛立っていた訳ではない そこまで口紅の匂いを嫌わない
美しい女性だった
ただそれだけだ
血まで綺麗なのだと思った
誰も知る事のない奥深くになまめく黒い血を除いては
選挙の街頭演説が聞こえる
前を通る時 鼓膜の振動を感じる 脳まで揺らされている
次第に胃まで揺れ煮えくり返えっていた
あぁいう類は 当たり前の事を言い支持を得ようとする
爆弾を仕掛けてやろうかと思ったが 灰色の返り血を浴びるだけだ
静かなカフェに入る
アイスコーヒーを口に含む
火傷した胃をコーヒーが冷ます 揺らされた脳を香りが押さえ込む
鼓膜も穏やかな波に戻る
血の口紅の付いたカップを残し カフェを後にした
なんの変哲もない日曜日の始まりである
- 揺られながら本を読んで居る