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- 2014/3/17 12:36
- 【レビュー】ルーズヴェルト・ゲーム
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- [書籍名]ルーズヴェルト・ゲーム
[著者]池井戸潤
[出版社]講談社
[刊行日]2012年2月21日
[内容]
中小精密機器メーカーと野球部が大手に呑まれる窮地
[評価]★★★★★
【レビュー】
先ずはご報告を。
昨年夏に大反響を呼んだドラマ『半沢直樹』が今秋、戻ってきます。そして春から同じ原作者とスタッフで『ルーズヴェルト・ゲーム』が放映されます。
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昔、米国のルーズヴェルト大統領は野球で一番おもしろいスコアは、8-7だと述べていました。打ち合いなのか、一気な大逆転なのかは問わず。
ドラマではご縁がありましたが、本では初めての池井戸さんの作品でした。話しの主題は3つ、全ての舞台が中小精密機器メーカー・三島製作所であり、吸収合併化、赤字によるリストラ、そして名門だった野球部の存続問題。
これらが大手ミツワ電器の手により、窮地に貶められていきます。
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野球部も話しの中心ですが、カメラに内臓される“イメージーセンサー”が一番の主題であり、
高スペックと低コストパフォーマンスが求められる中、大手のミツワ電器が三島製作所に提携、いや規模を考えれば事実上の吸収合併を持ちかけてきます。
ミツワの手口は半端ありません。
元から弱いとはいえ監督・エース・四番を野球部から引き抜き、三島製作所の顔でもあった野球部の力をそぎ始めるのが第一段階。
そして、社内の赤字が見えているので、三島製作所が一番最大にしているイメージセンサーの技術が欲しいだけの、吸収合併をと、次々に攻撃をしかけてきます。
となると、社内は混乱です。リストラも当然出てきます。契約社員だけでなく正社員さえも試練が待ちかかえてます。
何れも野球のスコアで例えるなら0-7という
敗北寸前の状態でありました。
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でも視ている人はちゃんと視ているんですよね。
三島側の株主にさえ揺さぶりをかけていましたが、先ずは専務が新社長を断っても、今の三島で一兵卒でいたい。企業は人なりと。最後の株主総会で、鍵を握っていた大株主も、技術は人なりと視ており、大逆転でした。
そして野球部は同じメンバーのまま、大株主が作った野球部に籍を変えただけで安泰が戻ります。
野球部にいる社員の大半は契約社員ですから、潰れたら人生終っていたんですよね。
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筆者が訴えかけたかったのは
最近、何でも金さえあれば企業をM&Aで簡単に買収できるという、「金」だけの流れに一声だしたのでしょうね。
- [書籍名]ルーズヴェルト・ゲーム