セドナさんとモバ友になろう！
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- 2019/8/31 1:35
- 群青
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- 2週間前の昼下がり
仕事も無い俺はだらだらと将棋中継を垂れ流しにしていた
すると懐かしい人からメールが入った
ある人の送別会をするという内容だった
ちょうど1年前に辞めた職場
まだ俺を呼んでくれるのか
という嬉しさもあったが、今さらどの面下げて再開すればいいのか
俺には分からなかった
3日悩んで俺は参加することにした
当日
つまり今日は仕事で遅れると連絡を入れた
ちゃんとやっているという精一杯の見栄だった
こんな自分の状況をどう説明しろと？
行く前も駅でぼーっとして時間を潰した
結局俺の演技も虚しく
全てはバレてしまった
メンバーは半分以上知らない人だった
俺の送別会に出てくれた人たち
俺の会いたかった人たちは半分も揃わなかった
風の噂でいくつか知っている人たちの話を聞いた
「あの人は関西に戻ったらしいよ。また同じ職場なんだよ俺www」
「リーダーは責任感は強いんですがまっすぐ過ぎるんですよね。知ってます？ 精神病だって」
「ワンコちゃんセドナさんが壊れたとこで頑張ってるって」
「ニャンコちゃん引き抜かれて研究所にいるみたい」
心が痛む
俺がやっているのは甘えだ
誰一人楽して仕事してる人は居ない
実力を認められた者
がむしゃらに頑張っている者
新しいスタートを切った者
みんな例外なく頑張っている
戦い続けている
同時に危機感を覚えた
別れの匂いだ
たった一年でこんなにもここは変わってしまった
たぶんここくらいだろう
退職してからも飲みに来いと言ってくれるのは
でも、俺ひとりだけだ
あの頃のまま時間が止まっているのは
いつまで俺は過去にすがり付くんだろう
俺はそれを確かめに行った
まだ大丈夫か
やっぱり俺はここの人たちにとっては過去の人間なのだ
完全に徒歩で来た俺はゴブリンの車で送ってもらうことになる
総勢4人
ひとり、またひとりと酔っぱらい達は道端に捨てられていく
車内には2人
沈黙になるかと思った車内でゴブリンは語る
「なんであのままで居させてくれなかったんだろうね……」
「はい……」
この雰囲気やめてwww
あの大きく見えた背中
この人の口から泣き言なんて聞きたくなかった
いつまでも憧れでいて欲しかった
でもこの人も同じ
迷い、苦しみ、泣き
それを積み重ねてここまできたのだ
車内からは聞き覚えのある曲がながれていた
「群青」
俺の好きな歌だ
こうしてまたひとり
俺の知っている人が旅立った
- 2週間前の昼下がり
