8月☆さんの日記

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- 2013/5/23 23:54
- 馴れ初め…
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- 今日はあの人との約束の日…。
  私は巣鴨にある喫茶店で働いていた。
  『うちの実家の近所に軍の飛行場があるんだよ、今度の興亜奉公日に観に来ませんか?』
  冗談かと思ったけど、私は高崎の友達に会うつもりで汽車に乗った。「ぽぅー」
  汽笛は鳴り響いた。車窓の景色を見ながら風景が田んぼや畑しか見えない景色に『あの人は本当に居るのだろうか』と不安になった。やがて駅に着きホームへ降りて周りを見渡してもあの人はいない。『やっぱり冗談だったんだ』寂しさと時計とにらめっこ。何時間過ぎたろう次の汽車の音。汽車は私の目の前に止まり客車の中に入り2等席の硬い椅子に座ってふと車窓越しに見ると汗だくになって自転車で駅に向かうあの人の姿。『ぽぅー』汽車の汽笛がなり発車し始めた。私は無我夢中で椅子から立ち上がり客車から飛び降りた。降りた瞬間下駄の鼻緒が切れて転んだ。『遅れてゴメン。』あの人は汗だくになりながら手拭いをちぎり私の下駄の鼻緒を結んでくれた。あの人の実家まで長く感じて家に着くといきなりお義父さんが『あんた、どこの生まれなん？』と色々聞かれ…そんな中になれない私の目に映ったのは大きく目立った柱時計で『ﾎﾞｰﾝ』『ﾎﾞｰﾝ』と時を告げていた。そんな中にあの人は居なくなり時間とともに夕飯をあの人抜きに囲んで貰った。時計は『ﾎﾞｰﾝ』と9時の鐘がなり見知らぬ土地で慣れない言葉と質問攻めに心ぼそさと疲れたころお義母さんが居間のとなりに蚊帳をつってくれました。不安ながら柱時計の時計を見るとちょうど10時。あの人が突然蚊帳の中に入って来て私は初めて男の人を迎え入れました。時計の針は11時10分。この時に出来た娘が翌年産まれる昭和16年4月…私は昭和15年7月1日を忘れない。