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- 2018/4/29 23:19
- 歌舞伎座百三十年「四月大歌舞伎」
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- 歌舞伎座百三十年「四月大歌舞伎」
●平成30年4月2日(月)~26日(木)
◆夜の部◆
4:45開演
四世鶴屋南北 作
奈河彰輔 補綴・演出
片岡仁左衛門 監修
通し狂言『絵本合法衢』
立場の太平次
片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候
序 幕第一場 多賀家水門口の場
第二場 多賀領鷹野の場
第三場 多賀家陣屋の場
二幕目第一場 四条河原の場
第二場 今出川道具屋の場
第三場 妙覚寺裏手の場
三幕目第一場 和州倉狩峠の場
第二場 倉狩峠一つ家の場
第三場 倉狩峠古宮の場
第四場 元の一つ家の場
大 詰第一場 合法庵室の場
第二場 閻魔堂の場
◇配役
左枝大学之助/立場の太平次:片岡仁左衛門
田代屋与兵衛:中村錦之助
田代屋娘お亀:片岡孝太郎
孫七:坂東亀蔵
太平次女房お道:上村吉弥
お米:中村梅丸
番頭伝三:片岡松之助
升法印:澤村由次郎
関口多九郎:河原崎権十郎
田代屋後家おりよ:市村萬次郎
高橋瀬左衛門/高橋弥十郎:坂東彌十郎
佐五右衛門:市川團蔵
うんざりお松/弥十郎妻皐月:中村時蔵
これまで幾度となく見る機会がありながら見逃して来ました大南北の大傑作『絵本合法衢』、念願叶いようやく見ることが出来ました。
悪の権化である大学之助、太平次の二役を1992年の初演以来幾度となく演じて来られた仁左衛門さんが、今回で最後と一世一代の名演を勤められました。
時代と世話の二つの悪の世界を演じ分け、悪の中にユーモラスな所もあり、楽しませて下さいました。
登場人物の殆どが死んでしまい、各場に残虐な殺し場がありますがその中で、太平次がお松を殺して井戸に投げ込む所が一番印象に残りました。井戸に浮かぶ死骸を覗き込む太平次の形の美しいこと。思わずあっと息を飲みました。もうこの太平次を見られないかと思うと今までもっと見ておくべきだったと悔やまれます。
また、大学之助が改心したと見せ掛け、瀬左衛門を騙し討ちにする所は、本当に改心をしているようで、こちらもすっかり騙されてしまいました。
名優が演じないと単なる残酷な後味で悪い物語になりますので、またいつかこの狂言を勤めるに値する名優が出てくることに期待を致します。
今の世の中、まるでドラマの世界でしかなかったような事件が起きており、大南北がこれを見たらどう思うであろうか?などと考えてしまいました。
いつの時代も人間の心が一番恐ろしいです。
- 歌舞伎座百三十年「四月大歌舞伎」