ヴェンデッタさんとモバ友になろう!
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- 2017/4/12 1:13
- にゃーと鳴く犬②
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- グワァと鳴く犬は折りたたまれていた前足を広げて言いました。
「随分変わっているだろうwww」
にゃーと鳴く犬は嬉しくなって言いました。
「はじめまして。私はにゃーと鳴く犬です。あなたは変わってなんかいませんよ。とても素敵です」
グワァと鳴く犬は言いました。
「ははあ。あなたもワンとは鳴かないのですね。私と一緒だww」
にゃーと鳴く犬は言いました。
「そうですね、私とあなたはとても似ているみたいです。もし良ければ、お友達になってくれますか…?」
グワァと鳴く犬は言いました。
「私はあなたのような犬を待っていたのです。どうぞ仲良くして下さいね」
その時から、にゃーと鳴く犬とグワァと鳴く犬はとても仲良しになりました。
お互いの悩みを話しあって励まし合い、ワンと鳴く犬なんてつまらない、ワンと鳴かない犬の方がずっと素敵、とさえ思うようになりました。
ある日、いつものようにグワァと鳴く犬の元に向かって歩いていたにゃーと鳴く犬は、池のほとりでとても奇妙な生き物に出会いました。
その生き物は、地面にへばりつくようにして歩き、足が左右に三本づつ、前足の代わりにハサミが左右に一本づつ。顔も首もなく、身体から目だけが飛び出していました。
にゃーと鳴く犬はとても恐ろしく感じました。
しかし、にゃーと鳴く犬はこの恐ろしい生き物が道を塞いでしまっていたので、グワァと鳴く犬の元へは行けません。
にゃーと鳴く犬は思いきってこの恐ろしい生き物に話しかけました。
「こんにちわ。あなたはここで何をしているのですか?」
奇妙な生き物は答えました。
「何もしちゃいないさ。お邪魔なら消えるさ」
にゃーと鳴く犬はその奇妙な生き物の話し方が気にかかり、言いました。
「お邪魔なんて言ってませんよ。とても寂しそうに言うのですね。何かお役に立てることがありますか?見ず知らず偽善者と思われるかもしれませんが、私はあなたを放っておくのも忍びないです」
その奇妙な生き物はびっくりした顔をしました。そして言いました。
「ありがとうございます。私に声をかけてくれる方がいるなんて。私はハサミを持つ犬です。いや…犬かどうかは怪しいな」
- グワァと鳴く犬は折りたたまれていた前足を広げて言いました。