ゴロゴロさんとモバ友になろう!
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- 2010/2/14 11:35
- パレード、
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遠い国に立っていた
目前に広がるメインストリートを、絢爛なパレードが進んでいく
金のかけらを薔薇蒔きながら、ゆうるりと進む道化師達
素顔を扇で優雅に隠し、貴婦人らは滑るように歩いてゆく
言葉なんてわからないけど、肌で感じる浮わついた雰囲気は、無条件にこころを明るくさせるもの
ふいに、通りの隅にぽつりと立つ同郷らしき男性を見付けた
黒い髪した痩躯の青年
白い肌、額がわずかに汗ばんでいる
知り合いだったかしら、初めて会う方だったかしら、わからない
ひとことふたこと交わして私は黙り、広い背中越しに、流れゆく人々を再び覗く
ふ、と
彼の体がパレードと同じ速度で倒れ込んでくる
慌てて抱え止めた体は子猫みたいに骨ばかりで軽く、淡々といきものの温度を無くしていくものだから
はやく助けないと、と、思ったのだけれど
彼を抱え上げたせつな、パレードは華やかさを失い、ばけものの様相で私めがけて流れを変える
もつれる足で走る、腕のなかの彼は冷えきっていく、パレードは追いかけてくる
はやく助けないと、と、思ったのだけれど、私の肩に置かれた手
緑色の爪
つよく抱き締めた彼はもう石膏像と同じで、私もまねをして目を閉じた
彼を救えなかったこと、それと、さいごまで彼が誰か思い出せないまま目覚めたのが心残りだった
夢の備忘録
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