みったん☆゛さんとモバ友になろう！
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- 2015/3/5 15:03
- 初恋・・・
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15歳の春
少女は恋をした
仕立ての良い、お気に入りの制服で身を包み
列車の最後尾の車両に乗り込む
中学時代の友人と、同じ車両で語り合う
いつ頃か・・
日焼けした精悍な顔立ちをした少年に気づく
同じ車両の
同じドアから乗り込む
その少年に
少女は恋をした
満員電車で動きが取れない時
隣に立つ少年に
心臓の鼓動が聞こえるのではないかと
恥じらう少女は
思いを告白できなかった
ある日、友人が写真を持ってきてくれた
少年が部活の野球をしている姿が映っていた
遠くから撮影した姿は小さく
それでも嬉しかった
３年生だった少年は卒業し
もう、出会うことはないと思った
教材を買うためにクラスメートと出掛け
私鉄某駅に降り立ち、改札を出るまでは
なんと、彼が改札に立っているではないか
私鉄の制服を着て改札に立つ姿も
精悍な顔立ちは変わらなかった
高校３年の夏休み
中学時代の友人たちと京都の旅をした
１週間の旅で京都を回り
三十三間堂の壁に貼られたポスターの前で立ち止まる
友を呼ぶ
似ているのだ
仏像の横顔のポスターが・・
友も頷いた
時が経ち
彼を思い出すことも少なくなった
初恋は実らないもの・・・
顔を見れるだけで幸せだと感じた初恋だった
そう・・・
彼とは、もう、会えないのだ
若くして、癌と闘い、天国に旅立ってしまったから
そうだ・・・
三十三間堂に行って、あの仏像を探してみよう
年老いてしまう前に・・・
