雨庭紫宴さんとモバ友になろう!
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- 2008/11/30 1:26
- 殻に眠る純白の珠に詠う奇想曲。
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黒曜の固き花弁に包まれた
潔麗に満ちる魂の名は
ただ、──
誇り高くも傲りなく
皎潔のまま艷夢に耽る
嫋なる凝脂の指が象る
現になき幻妙の面影は
繰り返し現に破れ目を造る
夢蟲が導く異国の逕
シャンデリア煌めける夜会
瞳は馨しき貴腐ワイン
漆黒のクレープデシン
踊る踵はマーブルの上
矜持はグラスに注ぎ
夢蟲が辿る往来の廸
かつて揺蕩う水底
清き黒薔薇に抱かれて生まれ
今は豪奢なる寝台
金に繍されし緋き貴布に眠る
夢蟲が誘う熱情の路
恋なき故に枯れた薔薇はなく
愛なき故に砕けた宝石もなし
しかし
恋という雫はその唇を潤し
愛という灯はその瞳を照す
恋に触れ愛に交わり
ウェヌスに愛された少女は
アポロにさえ愛される淑女になる
夢蟲は翅を休め
再び幻と実の境に踊る
夢蟲が踊り
その魂は、
踊る夢蟲と
黒曜の固き花弁に包まれた
潔麗に満ちる魂の名は
ただ、──
ただ、真なる珠と謂う。
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