雨庭紫宴さんの日記

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- 2008/4/14 0:46
- 十字架なき告解
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- あなたの声が夜を呼び
  　―私は夜に侵される
  あなたの指が月を弾く
  　―私は月に狂い舞う
  　
  　
  その真白な首に、歯を立てて
  　
  　
  　
  赤い鈍痛は、五臓六腑を焼き
  あなたを囚えるまで止まらない
  痛みに滴る赤で、描くのは牢獄
  あなたを躙って鎖しましょう
  　
  　
  悲しみなんてただの装飾品
  痛みなんてただの骨董品
  血なんてただの嗜好品
  　
  睦言の交換なんて、
  退屈凌ぎにもなりはしない
  ねえほらたくさん聴かせて
  あなたが狂う声を、
  　
  幻なんて邪魔なだけ
  痛みなんて邪魔なだけ
  憐れみなんて邪魔なだけ
  　
  　
  恍惚に至るのはただひとつ
  　
  重ねる程に濁る言葉ではなく
  揺蕩う毎に汚れる夢ではなく
  　
  純粋な激情から成る純然な悦楽
  　
  　
  ――――この激痛を思い知れ
  　
  　
  夜を呼ぶのはあなただけれど
  昼を厭うのは他でもない私で
  月を弾くのはあなただけれど
  陽を嫌うのは他でもない私で
  　
  　
  優しさなんて要らない
  そんなものはいずれ腐り朽つ
  あなたの衝動だけが、
  この一瞬を目映い永久にする
  　
  　
  ――――この切望を思い知れ
  　
  　
  　
  あなたの瞳が欲しい
  　―抉る訳にはいかないでしょう？
  あなたの指が欲しい
  　―斬る訳にはいかないでしょう？
  あなたの命が欲しい
  　―殺す訳にはいかないでしょう？
  　
  　
  　
  だから、
  　
  　
  　
  衝動にその身を任せて
  　
  狂っておしまいなさい
  　
  　
  　
  あなたの声が夜を呼び
  　―私は夜に侵される
  　　そして私はあなたを犯す
  あなたの指が月を弾く
  　―私は月に狂い舞う
  　　そして私はあなたを狂わす
  　
  　
  　
  　
  　
  ――――あなたと私は、
  　
  　
  ――――正気と狂気を、
  　
  　
  　
  　
  　
  見失う。