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    • 2015/12/29 8:52
    • りゅうちゃん2(転載)
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    • りゅうちゃんは虫取り名人であり、虫博士でもあった。
      ナナフシを見つけたのは、後にも先にもりゅうちゃんと遊んでいた時だけだった。
      この頃、父に私は小山で遊ぶ時は池に近づくなと言われていた。
      当たり前だ。小さい子が池の周囲で遊ぶなんて、こんな危険な事はない。
      ある日いつものようにりゅうちゃんと小山で遊んでいた時、
      池の底にとても奇麗な石を見つけた私は、それを取ろうと池に腕をつっこんだ。
      もう少しで取れそう。そんな思いがきっと油断を招いた。
      重心がすっかり前にいった私の体は、池の淵をずりずりと滑り落ちてしまった。
      もう訳がわからなかった。突然奪われた酸素、上下がわからない。
      どっちが上なのか。息を吸いたい。
      もがく私の腕を誰かが力強く掴み、そして引き上げる。
      助けてくれたのはりゅうちゃんだったが、今考えれば幼い私と、
      そう年頃も変わらない男の子が水の中から人一人を引き上げるなんて有り得ない。
      当然ながら当時の私にそこまでの思考力は無かった。
      溺れた恐怖にただただ泣きじゃくりながらそのまま家路についた。

      ぼたぼたと水を滴らして泣きじゃくる私に母は仰天し、
      池に落ちたこと、近所の男の子に助けてもらった事を告白した私にきついお灸を据えた。
      母に腕を引っ張られたどり着いた先は納屋。
      私はあの薄暗さが嫌で普段から納屋には近づかなかった。
      そんな処に一人放り込まれた私の恐怖といったらそれはもう、
      今でも当時の私に同情するくらいだ。
      暗い納屋で一人しくしく泣いていると誰かが入ってくる気配があった。
      すわお化けか何かかと、恐怖に顔面を強張らせたがすぐにその表情は緩んだ。
      りゅうちゃんだ。
      りゅうちゃんは、ひくりひくりとしゃくり上げる私の横で静かに寄り添ってくれた。
      すっかり心が丈夫になった私は母が呼びかけてくるまで暫くの間すっかり寝こけていた。
      すーすーと寝息を立てる私を見て母は、この子にはどんなお灸もきっと効かないと感じたそうだ。
      この頃から両親は「りゅうちゃん」の存在を知る。
      近所の遊び相手。そんな認識だったそうだ。

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