灰色銀貨Dさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2012/2/5 17:16
- 黒い僕~その28~
-
- コメント(3)
- 閲覧(20)
-
-
- バシッ! 僕の体はステンドグラスの壁にたたき付けられた。
「イッて…」
ワイヤー入りのガラスが割れた。
その音で暴れていた客が止まった…。
「まぁいいや、帰るぞ!」
そう言い残し三人の客は帰って行った…
「はぁ…」
なんだかすごく疲れた。 ガラスも割れちゃったしスーツもボロボロだ…。
「ただいま…」
店の裏口から入る。
「遅かったねぇ」
「ごめん!店長ガラス割れちゃった」
「知ってるよ割れた音聞こえたから。マネージャー怪我してないの?」
「怪我?」
熱くなりすぎてて気がつかなかった…。
「打ち身位かな?大丈夫だよ。慣れっこだよこんなの。」
「お疲れだったね。しかし… その格好じ店に出れないでしょ(笑)ネクタイもシャツもボロボロ。」
「えっ?」
本当だ… 掴まれた時にボタンが飛んで行って、ネクタイも解けかかっていた。
「あはは、暴れたんだねぇ」
「そんなに暴れてないよ。 着替えてくるよ。店長、店お願いね!」
僕は、部屋に戻り着替えた。お気に入りのスーツもおしゃかだなぁ…もったいない。
店に戻るといつもの雰囲気そのものだった。
「店長ガラス代は俺が払うから明日電話しておくよ。」
「経費で落とすからいいよ。そこまでしなくても!こういった時の事も考えて高い料金取ってるんだからさ」
「俺が暴れなきゃ、割れなかったんだし… 我慢できなかったのが悪いんだから」
「マネージャーがそう思うなら、そうしなよ」
「うん。それで社長はこの事知ってるの?」
「一応報告はしてあるけど、お咎めあるかなぁ?」
「あったらいやだなぁ(笑) 理不尽な客だったなぁ。あんなわがまま久しぶりに見たよ」
「まぁちゃんとお金はもらったんだし、お咎めないと思うよ」
「そうだね。仕事しよっか!」
そう言って僕は仕事に戻った。
終わりのミーティングで店長は今日の出来事を皆に話した。
「皆の仕事は、お客様をいい気分にさせてお店に通ってもらいお金を使わせるのが仕事です。その中には、わがまま言ったり皆が嫌がる事をするお客様も当然います。 それを笑顔でうまく断るのも仕事のうちです。」
- バシッ! 僕の体はステンドグラスの壁にたたき付けられた。