灰色銀貨Dさんとモバ友になろう!
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- 2012/4/15 22:30
- 黒い僕~その30~
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- 僕の素性もリカはなにもしらない。
リカの事は…名前も家族構成も、なぜこの世界に来たのか
それすらも知らない。
毎日が仕事で顔を合わせて気持ちが通ってるってだけで僕はどこか安心していたのかも知れない。
知りたい…
リカの事が。
リカじゃない…
リカじゃないんだ。
そう、リカは…僕の知ってるリカは素のリカじゃなく「店」のリカなんだ。
僕がリカの事を詮索したら、リカは僕を嫌いになるだろうか?
好きな人を知りたいと思う。この事にすごい罪悪感を感じる… そう、遅いんだ。
いつも身近にいて、なにも知らない。
この事が1番辛い。
理解し合ってるはずなのになにも知らないなんて…情けない。
この世の中でどれ程の彼氏、彼女と呼べる人達がいてお互いの事をちゃんと知っている人がいるんだろう… 知らなくても付き合ってる… 付き合ってから知っていくのか? どれが正しくてなんて人それぞれだろうけど僕は何も知らない「リカ」の事を…
僕はとても悩んだ…
「リカ」にとって僕はなんだろう?あんなに明るくて楽しく過ごす毎日なのに「リカ」は僕の事をなにも聞いてこない。
聞きたい…けど「リカ」にも聞かれたくない事があるはず。
聞いた事によって今 関係が壊れるような気がした。が、僕の「リカ」に対する愛情が変わるわけじゃない。
僕は「リカ」を自分の部屋に呼んだ…
リカはいつもどおりニコニコしてる。
「座れよ!」
「うん、どうしたの?あなたが部屋に呼んでくれるの珍しいよね。いつもリカのお部屋なのに!」
「あのさ、嫌な事は言わなくていい。ちょっと聞きたい事があるんだけど…」
「ふぅん…どうしたの? お店での事?お客さんの事?」
「違う…。そんな事じゃない。リカの事を聞きたいんだ。俺はさ、リカの事を誰よりも愛してるし誰よりも一緒にいる。 なのにリカの事をなにも知らない。だから教えて欲しいんだ。今までの事…リカの昔の事、どんな小さな事でもリカの事を知りたいんだ!
僕は懇願した。
それを聞いたリカは小さな声で
「全部聞きたいの?今まであった事あなたが知りたい事全部?」
「うん。リカって言う源氏名じゃなくて本名とかも」
「話したらあなたはきっと…」
- 僕の素性もリカはなにもしらない。