ハムすんさんとモバ友になろう!
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- 2016/10/11 20:48
- さとパル
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- あの日のことを覚えている
「よく 頑張りましたね」
そっと
頬を撫で上げ
わたしの涙を拭った
小さな手を
わたしの目『嫉妬』を見据えて
まっすぐにわたし『嫉妬』と目を合わせて
みどり『嫉妬』を受け入れて
×××『嫉』を
私『妬』を
鬼『 』を
わ た し た ち を
わかってくれた
封の綻びを螺子開けて
また世に出て
地の底の街
妖も魔も狂わせ
ただねたみくるい
くるいさけび
怨嗟に踊り
殺して
壊して
あの男も
ころしたけどころしたくて
血を飲んで燃えてころして
やつざいてころして崩して
どこなのかあの
男は
女は
ころして
寒い
しね
しねころし
一角の鬼に つぶされてててて
眼を潰されて
ころされて
塞がれて
館の主の前に連れられて
みえなくて(でも治る)
治る痛い
ころして
なりたくて
こう
なりたくは
「成りたくて こうなったわけじゃない」
はらりと
目を塞いでいた包帯が落とされた
少女がわたしを見ていた
潰されて治りかけの、瘴気と呪いを吐き出す緑の目玉を
3つの目で見ていた
後ろで一角の鬼が静止の声を上げるが
少女は介さなかった
彼女はわたしの心を、
その目で、見つめていた
心を覗いて、狂いの底
緑の海の中
嫉妬を読み取って
嫉妬を許して
受け入れてくれて
そして優しく微笑んで
背伸びしてわたしの頬に手を添えて
ただ、頑張りましたね と
一言
涙が溢れた
膝から崩れて少女にしがみついて
泣いた
呪いも瘴気も、淀みを押し流して
この緑の瞳からこんなにも澄んだ涙が出るなんて
嗚呼…
橋姫
貴女にもこうして理解してくれるひとが居たのならば
貴女はわたしにはならなかった
私に魅(見)入られはしなかった
わたしは生まれなかった
わたしたちは 鬼にならなかった
わたしたちが求めていたのは
ただ、理解と慰め
こうして寄り添い、狂った心を温めほぐしてくれる手
支えてくれる、小さな身体
この感情を嫉妬と教えてくれる人さえいれば
貴女は
わたしたちは…
嗚呼
私は覚えている
わたしを初めて認めてくれた人
さとりと出会ったあの日を
- あの日のことを覚えている